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神田伯山 独演会

講談社の社名の由来は講談から… だそうです。
知りませんでした…

友人に誘われて神田伯山独演会に出かけました。
テレビで女流講談師を見かけたことはありましたが、講談とはどんなものがよく知らぬまま、ただ、チケットが取りにくい講談師らしいから、きっと素晴らしいに違いない!と、期待に胸を膨らませて。

独演会は期待以上の素晴らしさでした。

演目は
一、源平盛衰記より 扇の的


弓矢が放たれ扇に向かう一瞬を、スローモーションの映像のように言葉と正面向きの身体の使い方で表現されるのに、会場は拍手喝采でした。
のっけから、心を持ってかれましたね〜

二、三方一両損

見知っていた大岡裁きの逸話、落語と異なりオチはありませんでした。
江戸っ子の意地の張り合いが見どころ。

私の父は東京都と境あたりの千葉県出身で、母は下町育ちの江戸っ子なので、チャキチャキの下町言葉は懐かしく感動モノでした。

三、四谷怪談〜お岩誕生


有名な四谷怪談のあらすじは知っていますし、子どもの頃夏になると必ず、テレビで映画が放送されていたのを視ていました。

けれども、お岩が誕生するまでの経緯やこんなおどろおどろしい因縁は全く知りませんでした。
全編聴いてみたいです。

四、徂徠豆腐(そらいどうふ)



元は荻生徂徠という貧しい儒学者の出世物語が本筋のようですが、お人好しな江戸の豆腐屋を照らし、善い行いには必ず報いがあるというちょっといい話なのでしょうが、昨日の講談ではちょっと違うテーマを受け取りました。

それは、人のためになることをしよう、というSDGs の概念に近いものでしょうか…

実際豆腐屋は貧乏学者が大出世するとはつゆほども思っておらず、与えたことすら忘れてしまう…
これって無償の愛に思えます。

ここに困ってる人がいるからできることで手助けする、
返せる時が来たら返してもらう口約束は、けして施しじゃないという、相手の立場を尊重したものなんですね。

この何が起こるかわからない不穏な社会情勢を生き抜くのに必要なのは、こんな庶民のお互い様精神なのかも知れないなあ…
なんてことを思いました。

ほんとうに、胸に残る素晴らしい講演でした!




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