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キューバを引きずっている。②

ハバナから車で三時間くらいの所に、バラデロという、観光ビーチリゾートがある。

バスも出てるし、タクシーでもいけるけど、
バスは到着までより時間がかかるし、タクシーは高い。
それでもバスかなぁと、バス停まで行ったら入り口で"相乗りなら安いし早いぜと"誘われて迷わず乗った。
一緒に乗るのが美女である事を期待しなかったわけじゃない。
けれど、同乗者はスウェーデンのおじさん二人。
たまに会話したけどぎこちない。
しかも後部座席にでかい男三人は狭くてなかなかの2時間30分だった。

海は綺麗だけど、少し寒いから入らなかった。
というか、海で泳いだ事が生まれてこのかたないからキューバで溺れたら大変だ。

モヒートを近くのホテルで頼んで飲み歩きしながら、
オススメの料理屋を訪ねる。
さすがリゾート地。お金もとらずに親切に案内してくれた。

で、入った店。

となりの席の人たちと仲良くなる。音楽隊の音楽を聴きながら食べる料理は美味かった。

他にも色々回った。
葉巻も何回か吸って咳き込んだ。
キューバ人しか行かないスーパーでお土産のお菓子を買ったりもした。

一番感じたことは何かって言われると、
この国は、アメリカや資本主義を否定しつつも、
そこに頼って永らえて来た国なんだってことだ。

観光名物は、外国人であるゲバラや、ヘミングウェイである。
名産品のハバナクラブ は、そもそもアメリカの企業が作り始めた。
タクシーとして重宝されるのはアメ車やアメリカ人が置いて行った車だ。

国家としてはアメリカや、アメリカ的な経済を否定しながら、国民はそこに頼って前面に出して生活している。その矛盾の清々しさはなんだか気持ちがいい。ヘミングウェイの写真や絵をみると特にそう感じた。

一方で、ゲバラの写真をみると複雑な気持ちになる。

彼が命をかけて築こうとした理想はこうではなかったはずだ。
それは、彼の理想とした国に対する思想自体にそもそもあった問題点もあるだろうし、
革命後のキューバの流れにもおかしなことがあったのだろう。
ゲバラの思想に賛同はしない。
それでも、イズムが残っていったらとおもう。
だがそれは少しずつ、そして目に見えて着実にキューバからも失われはじめている。
一国のバランスが良きにつけ悪しきにつけ崩れて行くというのをみることができたのは貴重だった。
そして自分にだって崩れるタイミングはあるのだろうと実感するにつれ、
日本に帰ってやるべきことは決まった。
それはまた別の話。

終わり。

キューバの百貨店みたいな所。プレハブみたいな屋根。

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