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【らいすき会】さくらももこ『名前の分からない物の買い物』分析

この記事は、ライティング力を高めるべく発足されたらいすき会(ライティング好き&ライティングスキルUPの会)に向けて執筆しています。
※らいすき会とは、メンバーが同じ文章を読み、その文章について分析し合う会のことです。分析した内容をnoteにまとめていきます。(これでライティング力が高まるといいな……)


お題の本:文芸オタクの私が教える バズる文章教室(三宅香帆 著)

本日のお題:さくらももこ『名前の分からない物の買い物』

 私が高校の頃、大滝詠一さんの『A LONG VACATION(ア・ロング・バケーション)』というレコードが大ヒットした。「♪うす〜く切ったオレンジ〜を アイ〜スティーにうか〜べて〜」という曲の入っているアレである。
 姉が「すごくいい曲が入っているレコードがあるから買いに行きたい」というので誰のレコードかと尋ねたが、わからないと言う。ではレコードか曲のタイトルは?と尋ねたがわからないと言う。
(中略)
 姉は必死でその曲を思い出そうとし、「えーとねえ、確か唄の最初の方の歌詞で、オレンジだかミカンだかレモンだかを輪切りにするっていう内容だった」と言った。ミカンの輪切りの唄なんて聞いたことがない。
(中略)
 私は店員に「えーと、あの、ミカンをこう、うすく切って輪切りにして……っていうか、あの、そういう内容のレコードはありますか」
 店の人は困惑している。辺り一面よどんだ空気に包まれている。私は逃げ出したかったが後に引けない。
 店員は「ミカンを輪切り……」と首をひねり、もう1人の店員に尋ねたりしていた。その時、ちょうど店内に例の、"輪切り"の曲が流れ始めた。姉は私を小突き、「コレコレこの曲っ」と小声で知らせたので私は店員に「あの、今かかってるこの曲です……」とうつむいて言った。視界の隅に店員の笑いをこらえた顔が見えていた。

出典:文芸オタクの私が教える バズる文章教室

〜さくらももこ『名前の分からない物の買い物』より〜

私の考察

その瞬間は面白いんだけど、後々誰かに話すと面白さが伝わらないことって多々あるな〜と思った。それをちゃんと面白くして書いてるのが凄い。

そして、私がこの文章を読んでもただただ「面白いな、こういう場面ってあるよね〜〜」で終わってしまってあまり考察はできなかった……。

今だったら自分で検索できるけど、当時はその技術はなかったから店員さんに聞くしかなかったんだろうねえ。

著者の考察

・先にネタバレをする。(今回の場合は最初に歌詞を示して、「うすく切ったオレンジ」が答えだとバラす)
・読者は最初に答えを知ってから読むことで、「答えはあれなのに〜〜!!」っていう、感情を入れて読み進められる。もしくは「それは答えじゃないよ〜〜!」みたいなツッコミを入れたい感情のボルテージが上がりっぱなしの状態になる。

まとめ

①事件の原因 ②事件の結果 ③一部始終 の順に書くことで、結果がわからないドキドキ感ではなく、結果を知ってるからこそ味わえるドキドキ感を読者は得られる。ってことなのかな?と思った。

日常生活でも、地味に面白いことって起きるんだけど(子どもの言動とか、面白い人を見かけたときとか)それを人に伝えて笑いを共感してもらうのってすごく難しい。でも、そのスキル欲しい!!

日常の事件って結構あるけどすぐに忘れちゃう。

些細なことをメモに残して、応用してみたい!!

おわり


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