2015年のレビューと2016年の目標(+今年のベスト写真3枚)

(ミャンマー事業のManaging Directorであるミン・スウェとお客さんたち)


I.2015年の仕事
創業して1年半になりました。カンボジアに続き、スリランカ、ミャンマーで事業を開始させました。グループ従業員200人で、資産規模12億円、顧客12,000人にサービスを提供するようになりました。投資から1年4ヶ月が経ったカンボジアでは、会社が数値的にも実態的にもだいぶ良くなり、自走し始めました。二カ国の事業立ち上げの負担もありましたが、連結赤字幅は毎月減少中で、単月黒字も達成しました。今年の誕生日は、これまでに人生でもらったより多くのプレゼントを従業員たちから頂きました。各地の仲間と作りあげていく絆は、この仕事と人生における宝物です。

短期的な物事の成り行きは小手先の技術や運によって決まる時もありますが、長期的な物事の成否は人物、ストーリー、チームといった本質的な要因で決まると思います。ビジョン達成のために2030年までに1兆円をエクイティで集めなければいけない仕事なので(更にいえば創業者らの拒否権を残した状態で)、遠回りに見えつつも本質論を突き詰める他はないのだと思います。

この期間に様々な本を読み、人に会って確信したのは、リーダーが本当に当代随一の人間であれば、短期的にはうまくいかないことがあっても、長期的には必ずうまくいくということです。 目の前の仕事に一所懸命に取り組みつつも、一喜一憂せずに自分とチームを最高のものにしたいと思います。

(カンボジアの首都プノンペンの川辺で夜中に遊ぶ子どもたち)


II.2016年のNPO活動
仕事再優先としつつ責任をもってやり続けることを決め、重要な意思決定や事業開拓には関わるようにしています。今年はまた新しい児童福祉施設の支援を決めるとともに、奨学金を2名に提供しました。また、既存の財団を譲り受ける形で、新しい財団を作ることが決まりました。この財団では、社会的投資を行いつつ、そのリターンを国内子ども支援に充てていきます。また「G1子どもイニシアティブ」を通じて子ども支援のための様々な取り組みを行いました。中でも私が一番時間を割いたのは一時保護所の実態把握と改善のための提言です。


III.自己管理
読書。年初宣言通り50冊は本を読みました。今年1番の本は、インドの哲学者・政治家であるRadhakrishnanの解説つきのBhagavad Gita(ヒンズー教の聖典)で、本書を3回読みました。 今年は改めて岩波文庫のプラトンの著作 を全て読みました。「ゴルギアス」や「国家」で彼が説いた哲人は、私が理想とするリーダーに重なりました。第三位は柳井正さんの「経営者になるためのノート」でした。

執筆。年初宣言通りに英語ブログを200本書くことは大幅に未達でした。一方で、業務用の文章できちんとした英語を書く機会が増えたので、英文ライティングはだいぶ向上したと思います。共同執筆でインターネットガバナンスについての英語の政策提言レポートを執筆しました。2年前のマラソンの記録が、 「ランニング思考」という本になって販売されました。目に見えないものを売っている仕事において書く力は必須なので、引き続きこの能力を鍛えていこうと思います。

スポーツ。護身も兼ねてキックボクシングを始めました。リスク管理上試合には出ませんが、カンボジアでムエタイボクサーとスパーリングできるくらいには強くなりました。ウルトラマラソンは、夏に栃木まで走る位に留めました。年初宣言通りに通り身体を鍛えることができたと思います。

健康管理。数えてみたら、今年の飛行機搭乗回数は157回でした。毎週のように住む場所の気候が変わるのが健康に良いわけがないので、健康管理のためによく眠るようになりました。年初宣言通り平均して7.5時間は眠り、極力化学調味料が使われていないものを食べました。その御蔭か、大病もせずに過ごすことができました。

写真。年初宣言通り撮りました。 気づいたことは、いい写真を撮るためには、情景を絵として捉える能力や人間関係構築能力が必須になるため、仕事にも役立つということです。今年ベストの3枚を掲載させて頂きました。


IV.2016年の抱負
・ 自己修養のために準備とレビューに時間をかける。寝る前の20分をチェックリストに基づいた自己レビュー、明日の予定確認に充てる。日曜日は60分かけて、より長いチェックリストに基づいたレビュー、来週・来月の予定確認に充てる。起床後10分を今日の予定確認の時間に充てて、その日のうちにやるべきことを必ず終わらせてから眠る。

・ 信頼を損ねる要因、パフォーマンスを下げる要因になりうるものを徹底的に取り除く。遅刻しない、約束を守る、深酒をしない、生活リズムを崩さない、睡眠の質を下げない、など。

・ 事業構想を精緻化するために、金融実務全般、プログラミング、世界情勢に関する知識を向上させる。産業組織論、保険、ALM、国際送金、決済、信用リスクモデリング、金融システム、プログラミング、テクノロジー、他社事例についての関連書籍を読みつつ、専門家に会いに行って教えを請う。引き続きEconomistを読む。財務モデルづくりに関するアプリを作る。コーラン、ギーター、聖書、仏教聖典を再読する。

・ 会社組織の強化。アドバイザリーボードの設立と、フルタイムメンバーとして自分より優秀な人を探す。

・ 本を一冊以上執筆する。写真の個展を開催する。


引き続き事業に邁進して参りますので、今後ともご指導どうぞ宜しくお願い致します。

慎泰俊


(スリランカの象)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?