2019年に観たベスト映画+展示

続いて映画。ベスト展示も書こうと思ったんだけど、もう終わってるから書いても無駄だなと思っている、、、のだけど、メモくらいはよいか。観た映画は29で、観に行った展示は26でした。

映画

1位:Green Book
これほどに、パスポートを持たないがために色んなトラブルに遭いつつ世界を旅する僕の心情を描いてくれた映画はあまり無い気がする。会社が色んなのに取り上げられたり、僕個人に色んな賞がやってきたりしても、イミグレや大使館に行く度に自分の状況を思い知らされる。世の中には、特権を持たない人間はどれだけ殴っても(比喩的な意味でね)問題ないと考えている人が結構いる。それは本作の主人公と全く同じ。それでも尊厳を失わずにいられたら、それは何より得難い精神の勝利だと今も思っている。The Shawshank Redemptionに並んで、落ち込んだら観る映画になった。


2位:Free Solo
「アンナプルナ南壁」を観た時は自分もいつかはアンナプルナに、と思ったのだけど、これは流石に真似は絶対にできないという畏敬の念と共に三回観た映画。オリンピック金メダリスト級の技能が求められる課題に挑みながら、失敗したら即死というチャレンジを続けるAlex Honnoldによるエル・カピタン命綱なしロッククライミングのドキュメンタリー。


3位:Invictus
ベタで申し訳ないのだけど、ラグビーワールドカップだったし観た。筋書きがほとんど想像できたものだけど、そもそもこの映画を観てネルソン・マンデラという人物に大きな興味を持った。Green Bookとも通じることだけど、僕は出来ることなら、自分に対して制度に乗っかってひどいことをしてくる人たちに対しても赦せる人間でありたいと思っている。また、この年のワールドカップの結果をそもそも知らないで観たので、最後のシーンは普通に興奮した。


4位:Burning
原作は村上春樹。この映画をたまたま観てから、韓国映画を観るようになった(他にも「寄生虫」などは結構よかった)。韓国映画の実力を見せつける、見事なプロットと演技力。最後の最後まで謎は解けないまま、映像の美しさとともになんとも言えない世界観に引き込まれる。


5位:No Country for Old Men
最後の一つは色々と悩んだのだけど、これにした。映画好きのキューライス氏が度々取り上げてきたアントン・シガーがどんなものかを見たくてこの映画を選んだ。期待に違わず、圧倒的な迫力を持つ殺し屋であるアントン・シガーを愛でる映画。やばいよこれは。


展示

こちらは別に今から見られるものがほとんどないので、とりあえずメモ。

1位:あいちトリエンナーレ
表現の自由を守りたい人間として若干贔屓目に見てしまっていることはあるけど、それでもいろんな芸術祭と較べてもとても良かった(と、いいつつ表現の不自由展は観られなかったのだけど)。一番はやっぱり高嶺格のプールかな。大きさの迫力と懐かしい日常が壁になることのインパクト。その次は、タニア・ブルゲラの強制的に人間を泣かせるメントール部屋。最後は今村洋平のシルクスクリーンで作られた狂気の山脈。

2位:PIXARのひみつ展@六本木
本でも紹介したけど、PIXAR本とこの展示は両方見て飽きないものだった。特にピクサーで働いている人々の超絶技巧と、それでもそんな技術は全然見せびらかさず、全てをただ良いものを作るために費やしているのが素晴らしかった。

3位:Antony Gormley展@The Royal Academy of Arts
これを見ていなかったら塩田千春展を挙げるつもりだったんだけど、ただただ狂気。んー、なんというのだろう、言葉ではなかなか表現できない。人間の妄想力のリミットが外れている感がすごかった。

4位:Olafar Eliasson展@Tate Modern
とっても楽しい展示。こちらは規模感とかではなくセンスの良さで記憶に残る。一番好きだったのは暗闇で噴水がフラッシュで浮かび上がるやつ。目にずっと残る。

5位:ボルタンスキー回顧展
なんか入場料を払ってちょっとしたお化け屋敷に入った気分になる展示だった。服を着せられたカカシに死んだときの経験を聞かれるやつが一番強烈に記憶に残った。



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