世界を変えるのは思想である

三島由紀夫は世界を変えるのは行為でなくて認識であると説いたけど(@金閣寺)、この問題についての自分の結論は、世界を変えるのは個人の精神であり思想なのだということが暫定的な結論となっている。三島由紀夫はある意味で正しい。個人の行動と信条の渾然一体である思想を人々が認識することこそが、世界を変える触媒となるのだから。

そういった話をすると、技術進歩こそが世界を変えるという人がいるかもしれない。もちろん、技術進歩が社会を変えるのは事実なんだけど、社会が人間の世の中であるかぎり、その技術進歩に基づく人間の生活を決定的に変革するのは伝道師のメッセージに他ならない。直近でいえば、その伝道師はスティーブ・ジョブズだった。彼は僕たちが情報を扱うカタチを変えたけど、それは技術革新やデザインの力ではなく、彼個人の強烈な思想によって変えたのだと僕は確信している。でないと、ジョニーアイブがいるのにアップルが最近全く精彩を欠いてしまっていることが説明できない。

ある人間の認識や信条と行動が完全に一致し、その人間性が社会の全体意志に受け入れられたとき、その人の思想は社会を変革するのだと思う。後者は僕が何とか出来るものでもないのだけど、前者は出来ることであって、自分自身の信条と行動の不一致を徹底的に潰していきたいと最近考えている。


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