大株主の作法

PEやっていたときにつくづく思ったのは、ある会社に外部から人がやってきて、成果をあげるには信頼を可能な限り早く得る必要があるということ。信用がなぜ大切かというと、それは会社の人とのコミュニケーションコストを下げて、社内のエネルギーを社内政治に割くことなく、成果をあげることに集中させることができるからだ。

経験上、その信頼を可能な限り得るためには、(1)その会社を愛する、(2)得意分野で会社の誰より高いクオリティの仕事をする、(3)誰よりも一生懸命働く(要はたくさんアウトプットを出す)、(4)会社の人よりも過度な贅沢をしない、の四点セットをきちんとする必要があるということ。四つのうちどれか一つでも欠けていると、信用を得て仕事するのがとても大変になる(どれか一つでも欠けている人をイメージしてみると分かりやすい)。ちなみに今の課題をいうと、カンボジアで(4)を達成するのが意外と大変だということだ。

僕は西郷南洲遺訓が好きで、この短い発言集を何百回読んだことか分からない。何年間も使っている財布兼超整理手帳には、これを抜粋して印刷したものが挟まっている。その第四番には次のようにある。

万民の上に位する者、己れを慎み、品行を正しくし、驕奢を戒め、節倹を勉め、職事に勤労して人民の標準となり、下民その勤労を気の毒に思う様ならでは、政令は行はれ難し。

西郷隆盛は政治家を意識してこれを書いていたのだろうけど、これはPEをする上でも金言とするべきだろう。

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