なぜ児童養護施設にランドセルを贈るのをやめたほうがいいのか(つづき)

続き。これがバズっている間に、いつも要所要所で大切なアドバイスをくれるお姉さんからメッセンジャーがきた。

「ちょっと仕事で手が離せなかったんで、遅くなったけどさ、あなた何やってんの?」

「え?」

「あのタイガーマスク運動について書いたこと。ランドセル送った人たちに謝んなさい」

「確かに言い方悪かったと思うんですけど、こういう間違ったことを訂正しないで嫌な思いをする子どもや、迷惑する施設の人がいるんです」

「ん〜、でもね」

彼女は、メッセンジャーを一文づつ送る癖がある。

「みんな、国や地方から今はランドセルが買えるお金が支給されておるという情報を単に知らなかっただけでしょ」

彼女は一文ずつに分けてメッセンジャーを送る。

「ね、世の中で、文句言う人は多いけど、行動を起こす人って少ないわけよ。

日本に1億375万人の大人がいる中で、震災や児童養護施設の子どもにランドセルを贈ろうとした人が何人いるよ?」

ハッとさせられた。

「まあ、1パーセントもいないですね。。。1施設あたり3人いたとしても、2000人とかだから、0.02%です」

「そのアクションを起こした0.02%の人は、もっと別の新しいアクションを起こせる貴重な人でしょう?
 あなたと一緒になって新しいムーブメント作っていかなきゃいけない大事な人たちなんだよ」

その淡々と次々と打ち込まれるメッセージを見ながら、たしかにそうだなあと思った。

「その貴重な人たちに「ズレたアクション」と批判して切っててどうするよ?

 誤解で行動した人たち、きっと仲間になれる人たちを叩いて

 世界が変えられると思ってんの?」

12時間くらい何も返事ができなかったのだけど、落ち着いて考えてみると、確かに彼女の言う通りだと思った。

僕がやりたかったのは、子どもの尊厳を守ること、課題解決をすることだったのだけど、たしかにあれで行動を起こす人が減る可能性は高い。実際NewsPicksとかを見ていても「だから何もしないのが一番」みたいなことを言う人がいた。僕のやり方は間違っていたんだと思う。課題解決に対して一緒に前向きに真摯に向き合いたいという態度ではなかった。

そういう経緯があり、今、本当に今更で大変恥ずかしいのですが、稚拙なことを言ってしまい申し訳ないという気持ちになりました。

善意を持って行動された方々を傷つけたことについて心から謝罪します。

そして、一つお願いがあります。もしどなたか河村正剛さんをご存知の方がいらっしゃれば、ご紹介いただけないでしょうか。許して頂けるのであれば、一度お会いして謝罪したいです。そして、社会的養護下の子どもたちにとって、良い方向に向かうことができる方法など、話し合いができればと思います。

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