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スリランカの首相が選挙なしに変わった

事件から一晩明けた今もスリランカはこの話題で持ち切り。

現地時間午後7時ごろ、隣に座っていたレヌカにいきなり電話が入る。驚いている模様。そして僕に向かって「テジュン、Breaking newsだ。マヒンダ・ラジャパクシャが首相になった」という。スリランカには大統領と首相が両方あり、行政は大統領、立法は首相の仕事だ。

マヒンダ・ラジャパクシャ(写真)はスリランカにおける田中角栄のような存在で、粗さはあるものの高い人心掌握力でずっとこの国の大統領として君臨してきた。反乱軍であった「タミル解放の虎」との内戦を徹底的な武力行使で終わらせた(結果として多数の人を巻き添えにもした)のも彼だ。

家族を政府の要職に据えて金権政治を行ってきた結果国民の不信を買った結果、”Political Genius”と名高い彼も選挙で負け、挽回を期したキャンペーンを各地で行っていたところだ。

「え、でも次の選挙はまだ先だよ?」
「現首相であるラニル・ウィックラマシンハが禅定したみたい。実際は解任ぽいけど」
「そんなの憲法的にいけるの?」
「分からない」

これで、仕事をしている国で本当に民主主義や立憲主義が生きているのはインドだけになってしまった。前にも自分の懸念をポストしたけど、このままだと世界中の新興国・途上国で民主主義は殺されていくのじゃないのかな、と思うと暗澹たる気持ちになる。

とはいえ、国のあり方はその国に滞在させてもらっている僕ではなく、とどまり続ける人々が決めることなので、悲しいけど前に進み続けるしかなくて、僕には僕にできることを続けるしかないんだろう。


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