当事者でもないのに投石する人々

久しぶりに日本のニュース見たら、こんなのが流れてきた。

ちょっと用事がありロンドンで3週間くらい生活していて、改めて思ったことがあったので書いておきたい。

着いてまず驚いたことは、屋外でマスクをしている人がほとんどいなかったこと(さすがに最近になって感染者数が圧倒的に増えた結果、ようやくマスクをする人がある程度出てきたが、まだ日本に較べたら少ない)。なお、スーパーやお店の中では基本的にマスクをすることになっている。

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マスク率が圧倒的に低いのに加え、さらに衝撃を受けたのは、お店の中でマスクをつけるように促されて「そんなの自分の勝手だろ!」と逆ギレする人が一定数いたこと(5%くらい?)。そして毎週末にはマスク反対・再ロックダウン反対デモが大規模で起きていて、数十人の逮捕者も出ている。

このタイミングでやってきたからこそ、マグナカルタの根源となった国民精神を見た気がしている。権力に何かを強要されるのがトコトン嫌いなのだ。ロンドンには普段から変な人がいっぱいいるけど、みんな大して気に留めていないのも、この自由への愛の反映なんだろう。

(もちろん、それが良いことばかりな訳ではなくて、そのために英国の死者数が日本比で圧倒的に多いのは事実だ)

この街には堀江さんみたいなリバタリアンがいっぱいいる。僕は見ていないけど、一定数の人は、同じようにSNSでお店に対して批判を述べているのだろう。僕は、当事者間で好きにやればいいと思っている。有名人があるお店をSNSで批判したところで、お店のファンは対して気にもとめないだろう。

でも、僕が日本(アジアもそう)特有だなと思い、不思議だなと思い、かつ苦手だなと思うのが、それを見た周りの人々が石を投げ始めることだ。自分自身が何らかの不利益を直接に受けた当事者でないのに、当事者の間の問題に入り込み石を投げる。不倫報道とかでも同様のことが起きる。

この国でおきるネット私刑は沢山の人を追い込んだり殺したりしている。
そして、投石に加担した人々は誰も責任を取らない。
石を投げた人たちは、その石で人が死んだときにどんな気分なんだろう。

少なくとも、子どもとか親に自慢できるような立派なことではないし、やっている本人も少しずつ心が荒んでいくので、やめてほしいなと思う。


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