運のいい人

松下幸之助が「あなたは運がいい人ですか」と聞いて、ノーと答えた人をことごとく面接で落としたのは有名な話だ。他にも「運がいい人といれば運がよくなる」みたいな話を真面目に話す人は多い。

この「運のいい人理論」はオカルトかなにかと思っていたんだけど、先日ようやく自分なりに合点がいくようになった。

それは、運がいい人というのは、実は一般的な意味で運がいい(たとえば、宝くじで有意に平均より高確率で当たりが出る、みたいな)人ではなく、物事を楽観的に捉えられる人である、ということだ。

世の中、大抵のケースにおいて、いいことも悪いことも半分半分だ。思うようにいかないことなんていくらでもある。だけど、運がいい人は災難に見舞われた際にも物事の良い側面を見い出すことができる。例えば、松下幸之助は、船から落ちて海で溺れそうになったのに「助かった自分は運がいい」と言ったそうだ。物事の悪い側を見る人だったら「船から落ちて最悪だった。もう少しで溺れるところだった」と言ったことだろう。そういえば、カストロもキューバ革命時に革命軍が18人とかまでになった時に、(これだけ人が生き残ったので)これでこの革命は勝利だと言ったのも同じことか。

そして、物事を楽観的に見られる人は、逆境の際にも希望を持って元気に働き続ける。結局のところ周囲の環境は変化せず、なんらかの確率分布に従って事象が起きるだけであって、そんな中で望ましい結果をもたらすのは本人が前向きに行動をし続けられるかどうかにかかっている。だからこそ、運がいい人は成果を出すし、そういう楽観的な人の周りにいると自分も頑張れるんだろう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?