1日15時間くらい働くこと

たいていのブラック企業がブラックである理由は生産性が低いことに起因しており、それは経営陣の責任であるためである場合が多い。そういう人々が社員に対して「もっとみんなちゃんと会社のために働こうぜ」というのは間違っているか、すくなくとも褒められたものではないと思っている。無能な上層部のせいで現場が犠牲になりまくった日本軍みたいなものだ。

でも、組織の生産性が高くても、特に若い頃に厳しく詰められる(そして場合によっては結構長時間労働になる)仕事に就くという選択肢が残されていたほうがよいと思っている。今のところ、それが残っているのは、コンサルとかIBとか一部のPEくらいか。まあここも無能な上司のせいで無駄な仕事を大量にさせられる若手が多いのだけど、幸い僕の上司は全員尊敬できる人ばかりだった。

予め自分のバイアスについて白状しておくと、僕は小学一年生の頃から週末がない生活を送っていた。囲碁の道場では日曜の朝9時から6時までずっと正座で碁を打っていた(さらに白状すると時々サボって新宿のゲーセンで遊んでいた)。スパルタの兵士みたいなもので、子どもの頃からそういう生活をしていると休みがなくても別に平気で、仮に疲れたとしても、銭湯に入るとか長い距離を走るとか、最長でも3日くらい休暇を取れば元気が回復する。社会人になってからは、仕事、NPO、運動、執筆、勉強と、自分の能力を明示的に伸ばすか社会を何らかの形で変える活動に1日平均15時間くらいは週末もなしに働いてきたし、今もそんな感じだ。確実に仕事は早くなっているはずなんだけど、早くなったら早くなっただけ負荷が増えるので(筋トレと同じ)、結局費やす時間は変わらない。

訓練を受けたスポーツ選手と凡人が全く違うように、必死に仕事をしたり自己修養をしてきたビジネスパーソンとそれ以外には当然に差が生まれる。両者が競争をしたときの結果は火を見るより明らかだ。USのスーパー起業家たちの多くに共通のことは、みんなとてもよく働くということだ。一部の職業を除いて、大抵の超一流の人々はアホみたいに活動的だ。

別にみんながスポーツ選手になる訳でもないし、仕事が全てでないので、自分を強化人間にするのはその人の自由だけど、厳しく訓練されたい人からそうなる機会が奪われるのはとても不幸なことだと思っている。再度言うけど、会社の経営陣が自分の無能の隠れ蓑としてこの言説をするのはダメだ。それでも僕が言いたいのは、最近のブラック企業批判のために、自分を徹底的に追い込んで鍛える場所が社会から失われてしまって、そういう場を望んでいる人に機会が与えられれないことは悲しいんじゃないかということだ。

まあ会社が定時で終わるんなら、5時〜11時と週末フルで働ければ起業くらいできるから、これからの時代に自分を追い込んで鍛えたい人は、定時で仕事を終わらせて一つくらい起業しても良いのかもしれないね。Living in Peaceにやってくる人の一部は、そういう人なんだと思う。


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