株式会社RASHISAのロゴマークをデザインしました

前に紹介した、個人的なグラフィックデザインのプロジェクト、初の案件が終了したのでご報告です。

最初にクライアントになってくださったのは、株式会社RASHISAさん。虐待問題に向き合い、いまはシングルマザーの人たち向けの事業に取り組んでいます。会社の事業フェーズも変わり、改めて次の事業に進むタイミングで新しくロゴを作りたい、という相談をいただきました。


デザインに際して考えたこと

社名の由来は、「すべての人が自分らしく生きられる社会をつくりたい」という思いから、RASHISAになったそうです。

ロゴマークを提案するにあたり、社名である「らしさ」という言葉の意味を繰り返し考えてみました。

文法的には接尾語である「らしさ」という言葉は、前につく言葉なしには存在しません。(それがビジュアル表現的には難題でした)

ここで、「自分は何らしいのだろうか」、ということを考えてみました。そうすると、「起業家らしさ」、「B型らしさ」、「ウルトラランナーらしさ」、「格闘家らしさ」といったものがついてきますが、この作業は相当に難しいことに気がつきました。

そこで分かったことは、「自分らしく生きる」というのは簡単なことではなく、かなりの時間と労力を割いて、自分が何者であるのかを探さないといけないということです。答えは人それぞれであり、それは御社の顧客や従業員にとっても同じことだと思います。

上記のような考えをベースに、今回の提案をつくりました。

デザインランゲージについて

オレンジ色を基調にするという意向を頂いていました。オレンジ色は、児童虐待防止のリボンの色でもあります。なので、オレンジリボンと同じオレンジ色を採用しています。オレンジリボンの色について、明確なRGBが定義されていなかったので、オレンジリボン運動のウェブサイトにあるオレンジリボンロゴで用いられていたR224 / G120 / B51を採用しています。

「らしさ」という接尾語は、その前にくる言葉を引き立てるものなので、「RASHISA」という文字そのものがあまり目立ったものにならないようにしたいと考えました。その観点に経つと、比較的よく使われていて、かつ線が太くないフォントが最も適切であると考えました。色々と試した結果、Helvetica Neu Thinをフォントとして採用しています。


採用されたロゴマーク



線を引くことで、接尾語としてのらしさを活かしたシンプルなロゴにしました。

例えば名刺の裏に一人ひとりが好きな文言を入れたら、仕事で関わった人たちに社名の由来がわかりやすく伝わるのではないかと思いました。


名刺の作り方(あくまで案です)


クライアントにも喜んでもらえました。ホッとしました。



改めて思ったんですが、会社のロゴマークのデザインて、めちゃくちゃ大変な仕事ですね。

会社のロゴマークはとても多くの人の目に触れるので、インパクトが大きな仕事です。そして、ちゃんとした仕事をするには、一定の時間を割いて会社の事業内容、働く人の思い、事業領域について理解しないといけない。自分が関わってきた会社のロゴをデザインするのとでは、難易度が全く違いました(それでも、社会問題をテーマに仕事を受けると決めているので、まだ大丈夫だけど)。

依頼を受けるまではそのクライアントのことを知らない第三者が引き受ける仕事として、これはとても大変なものだなと予め思い知った次第です。


とはいえ、とても楽しかったので、引き続き募集しています!






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