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Jリーグマッチレビュー⑧J1第6節 柏vs磐田【3年ぶりの迫力満点日立台】

さて、今回はJ1第6節、柏レイソルvsジュビロ磐田のマッチレビュー書いていきます。4月に入り春らしくなり、桜がきれいに咲いている日立台こと、三協フロンテア柏スタジアム。参戦は3年ぶり。いつもこのスタジアムのゴール裏からピッチを見渡す景色はとても近くて迫力満点。私の好きなスタジアム。

この顔合わせが実現するのは、互いの降格でのすれ違いもあり実に4年ぶり。前回の対決の2018年は磐田のシーズンダブル。逆に2017年は柏がシーズンダブルと、極端な結果となっている。

この〜木何の木気になる木〜♪
感がちょっとあった日立台の桜の木
柏のマスコット、レイくん。モチーフは太陽王。いつもノリが良くて元気。そんなに近くで構えてたわけじゃないのにポーズ取ってくれる優しさ
シュウペイで〜す。はぺこぱがブレイクしてからずっとやってるからシュウペイさんに届いてほしい
久々に柏のゴール裏。やっぱ迫力がすげえ

今日の私の観戦ユニフォーム

2018年 リミテッドユニフォーム

今回のユニフォームは2018年の夏限定のリミテッドユニフォーム。ホームでの柏戦はこのユニで勝利。当時在籍していた大久保嘉人が移籍後初ゴールを奪い、今やシュツットガルトで躍動する伊藤洋輝のリーグ戦初出場のゲームでもあります。
この年のリミテッドユニフォームはPUMAのクラブ(川崎、清水、C大阪など)はそのクラブにまつわる数字がプリントされたユニフォームを着ました。磐田は創設年の「1992」や完全制覇の「2002」といった数字が隠れています。正直あんまり当時は好きなイメージじゃなかったけど(笑)今思うと面白い試みではあったかなと。

スターティングメンバー&見どころ

柏レイソル

予想フォーメーションは3-4-2-1。
前節からのスタメン変更は右サイドが川口尚紀に替えて中村慶太が入った。
リザーブには岩下航、椎橋慧也、アンジェロッティが新たに入った。

前節の名古屋戦は6分に今や絶好調のパリ世代ストライカー・細谷真大の先制ゴールが決まるも18分に追いつかれると、相手のファインセーブにも阻まれ続けドロー。
リーグ戦後のルヴァンカップの鳥栖戦では先制されるものの、ルーキー・升掛友護の同点ゴールでこちらもドロー。
とはいえホームは連勝中。「降格候補」の下馬評を覆す奮闘ぶりを若い世代の活躍もあって見せている。

注目選手はやはり初の古巣対決に挑む大南拓磨だ。磐田時代にはやらなかったSBにも挑戦し、成長を続けている男が今日も立ちはだかる。

ジュビロ磐田

予想フォーメーションは3-4-2-1。
コロナ陽性者の影響もあり、前節からのスタメン変更は4名。最終ラインに伊藤槙人に替えて山本義道。左サイドの松本昌也に替えて今季初先発の小川大貴。シャドーの右に大森晃太郎に替えて黒川淳史が2度目の先発。そして1トップには浦和戦は契約の関係で出られなかった杉本健勇が復帰した。
リザーブにはブラジルからようやく来日したリカルド・グラッサが初のベンチ入り。そして鹿沼直生と大型ルーキー・古川陽介(静岡学園)がリーグ戦初のベンチ入りとなった。

前回のリーグ戦の浦和戦では序盤からゲームを支配され1-4の大敗と壁にブチ当たった。とはいえ1週間後のルヴァンカップ、ホームの福岡戦では金子翔太のヤマハスタジアム初ゴールでウノゼロでの完封勝利。久々にゴールマウスを守ったベテラン・八田直樹の活躍も光った。リーグ戦でも好調の柏を相手に立て直せるか注目。

注目選手はベンチ入りの新戦力、リカルド・グラッサと古川陽介だ。前者は失点が続く最終ラインの救世主となれるのか、そしてどのくらいまでフィットできたか。後者は得意のドリブルで流れを変えられるか。

前半

主導権は好調の柏。前線の小屋松知哉や細谷といったスピードあふれるアタッカーに、戸嶋祥郎、マテウス・サヴィオといった広い範囲に顔を出せる中盤の選手が動き回りチャンスをつくる展開を、磐田が凌いでいく流れに。前半18分にはエリア手前からボランチのドッジがミドルを放つも磐田GK三浦龍輝がセーブ。38分には小屋松がエリア内に侵入して一対一を迎えるもまたも三浦が低い姿勢でストップ。再三チャンスを作っていく展開の中迎えた41分。左サイドハーフの三丸拡がドリブルで二人をかわしてエリア内に侵入。ゴールラインギリギリでふわりと上げたクロスにマテウス・サヴィオが頭で合わせた。さすがの三浦も逆をつかれて届かず。柏が先制点を奪う。
磐田は奪ってからのボールロストがセンターサークル付近で目立ち、柏のゴールを脅かせない。中盤のクオリティが低いわけではないが、前線の選手にチャンスらしいチャンスはほぼ生まれず。前半は柏の1点リードで折り返す。

後半

どちらが次の一点を取るか?という勝負どころで早々に試合を動かしたのはまたも柏。磐田の3バックが中央に寄った隙を見逃さず、右サイドの中村慶太がサイドに抜け出す。磐田DFが必死に追いかけるも同じサイドに追いついたときにはもう中村慶太はクロスを上げていた。これをエリア内のファーサイドでフリーになっていた戸嶋がボレーで落ち着いて決め、柏に追加点が生まれた。

10分に磐田は一気に三枚替え。森岡陸に替えてリーグ戦デビューとなったリカルド・グラッサ、大津祐樹に替えてジャーメイン良。黒川淳史に替えて大森晃太郎を投入する。これらの交代選手は積極的にボールを回しチャンスを伺い惜しいシーンは作るものの、得点には繋がらない。21分には小川大貴に替えてついにリーグ戦デビューとなった古川陽介を投入する。古川はいきなりファーストプレーで持ち味の独特なボールタッチのドリブルを見せ、柏DFを慌てさせる。スタジアムも高校選手権で何度も見せたそのドリブルに沸き上がる。

それでも柏の中盤の質の高さは変わらず、セットプレーも多くしたたかに時間と攻撃を進めていく。38分には細谷がこの時間帯とは思えないスピードで抜け出しシュートを放つも、ほんの少し三浦が触ってコースが変わり得点ならず。
41分には古川が得意のカットインからシュートを放つもゴロのような弱いシュートは柏GKキム・スンギュの正面。最後まで磐田はゴールを割れず今季初の無得点。2-0で柏の勝利となり、黒い30周年記念ユニフォーム着用試合でホーム三連勝を飾った。

ざっくり感想

柏レイソル

もう「降格候補」とは呼ばせない、感じさせない完成度の高さで、ネルシーニョ監督も「今季一の出来」と語る点差以上の快勝だった。チャンスの数からすればもっとゴールを割ってもおかしくなかったが、そこは次節への課題。決定力以外では小屋松、細谷のアタッカーのスピードは常に脅威となった。特に細谷はパリ世代の代表のドバイカップから帰国して間もない中でも高いパフォーマンスを披露し、疲れを感じさせないプレーで好調を維持した。
攻撃は前半は左サイドからが特に効果的で、小屋松だけでなく前半にも書いたマテウス・サヴィオと戸嶋にサイドハーフの三丸がうまく絡んだ流れを先制点まで繰り返していった。三丸は守りでも対面の好調・鈴木雄斗と激しいマッチアップを繰り広げ、点やクロスなどなかなか決定的な働きをさせない素晴らしいパフォーマンスだった。
守備面でも古巣対決となった大南をはじめ、磐田の武器となる攻撃を封殺し、なかなか決定的な場面すら作らせなかったのは称賛できる。

ジュビロ磐田

大敗した浦和戦から改善が見られなかったわけではないが、低調なプレーに終始。昨シーズンの武器の中盤のパスワークなど、カテゴリーは違えどできていたことができなくなってしまったな、と感じるプレーが多かったことは残念。

最終ラインの3バックはスピード不足やカバーのミスも露呈。裏を取られる場面も少なくなかったため、前節同様三浦のセーブに助けられた。

攻撃面では杉本健勇の結果が出ないことが懸念材料だ。ルヴァンで追ったケガがまだ完全に癒えていないようにも見えたこと、途中出場のジャーメインが動きが悪くなかったことなどから、無理に先発をさせなくても良かったのではとも感じた。

新加入組はいずれも途中出場。リカルド・グラッサはJリーグのスピードに若干戸惑ってはいたようだが、前線への左足の浮き球のパスの質は決して低くなく、熟成されれば新たな武器になる。もちろんフィジカルでも。
古川に関してはドリブルが通用するところは見せた。しかし寄せられたときの体格差、奪われたときの守備での追い回しなどの課題も見つかった。きっと本人もわかっているはずではあるし、ドリブルでは十分沸かせられているので、また出場する機会をもっと作って欲しい。

MOM

戸嶋祥郎(柏MF)

🟨こそもらったが、豊富な運動量でピッチ内のあらゆるところに顔を出す所はカンテ(チェルシー)のよう。アタッカー陣の周りを衛生的に走り回った攻撃面、中盤でのボールロストが目立った磐田のボールの回収役の守備面と出色の出来。後半には中村慶太のクロスにうまくエリア内でフリーになりコンパクトに叩いたボレーで追加点もゲット。
元々新潟時代から彼のことは知っていて、すごく使い勝手のいい選手で1人いたら助かるなと思っていたが、柏に来てケガもありつつもさらに質が上がった印象。

柏から学ぶ逆境の跳ね返し方と若手育成の優秀さ

感想でも書かせてもらったが、私の予想も含めて柏の評価は開幕前、かなり低かった。それでも磐田戦の完成度はすこぶる高かった。
柏というクラブはいい意味でそういうところがあり、2011年の昇格即優勝だったり、躍進するときは予想より飛び越えて躍進するクラブであると思う。
さらにこのクラブのすごいところは、ユースの優秀さをはじめとする若手育成力の高さでそれを実現しているところだ。すでにディフェンスリーダーでキャプテンマークを巻くこともある古賀太陽。ちばぎんカップでも光っていたパリ世代の快速FW細谷真大は、確実に今季のベストヤングプレーヤー候補であると思う。

磐田はどうだろうか。下馬評は決して高くなかったが、やはりベテランに頼っていないか。今は我慢のときではあるが、世代交代は順調かというと、かなり差があると思う。ルヴァンカップでのターンオーバーで出てくる若手にも、物足りなさは否めない。いずれは若手育成と結果が両立できるチームになりたいなと、日立台で思わされた。

古川陽介のデビュー戦に立ち会えたことは、今後も自慢できる。課題も見えたが、これが伝説の始まりであると思いたい。良さは十分出てた
日立台の特権はとにかく近い。ヤットさんもこの距離に
大南が挨拶に来てくれた。足に不調があったのか途中交代にはなってしまったが、確実に上手くなっている。
柏のレギュラーがゴールではなく、とにかく代表に入ってほしい



試合結果

柏2-0磐田
得点
【柏】マテウス・サヴィオ(前半41分)、戸嶋祥郎(後半7分)
🟨
【柏】ドッジ(前半8分)、戸嶋祥郎(前半40分)
【磐田】杉本健勇(前半45+2分)

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