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撮影できない取材ライターに需要はあるのか?

取材案件の中には、文章作成に加え撮影込みの依頼が少なくありません。そうした依頼を見ていると、「取材するなら撮影できなければいけない」感じがしてきますよね。

実際のところ、撮影できない取材ライターに需要はあるのでしょうか。

取材案件は2種類ある

「取材」と一口に言っても、大きく分けると2種類あります。

ひとつは、「ライターが撮影と文章作成を請け負う」というもの。ライター単独、あるいはWeb制作会社の方と一緒に取材先を訪問し、ライターが撮影から文章作成まで一貫して行います。

もうひとつは、「ライターが文章のみを請け負う」というもの。こちらは、カメラマンや取材に同席したWeb制作会社の方が撮影します。また、クライアント側(取材対象先)で画像(写真・素材)を用意するケースもあります。

撮影なしの取材案件も数多くある

僕は、これまで数多くの取材案件に取り組んできました。

零細企業から上場企業まで。不動産や建設業、教育関係等。業界は多種多様です。最近では、医療機器AIメーカーの開発者にインタビューするといった、専門性の高い分野の取材もしました。

いろいろな業界の取材を通して実感するのは、撮影できない取材ライターでも需要は十分あるということです

案件によっては「撮影もお願いできますか」とか、「スマホで構わないので撮影もお願いします」といった質問・要望もありますが。それに応えられなくても、文章作成のみで依頼くださるクライアントは非常に多いです。

中途半端な撮影スキルはないほうがいい

以前、撮影込みの取材案件を引き受けました。「どんなカメラでも構わないので撮影もお願いします」というものです。僕は、学生時代に購入した一眼レフカメラを持ち取材に向かいました。

これが大きな失敗でした。というのも、納品した画像は明るさやトーン等がパッとせず、何度も修正することになってしまったからです。

「画像を修正したのでご確認ください。」
『他の画像と明るさを統一していただけますでしょうか?』

このようなやり取りが何度も続きました。途中、心が折れました。

「撮影」というのは、カメラさえ持っていれば誰でもできます。けれども、「質の高い撮影」となると、カメラの設定や撮影環境等を調整するスキルが求められるのでしょう。

この経験から得た教訓は、中途半端な撮影スキルはクライアントに迷惑をかける、ということです。修正作業も増え、自分自身も大変な思いをするだけです

「撮影込みの取材ができるようになりたい」のでなければ、取材ライターとして、撮影の可否にこだわる必要はないと思います。

高性能カメラと写真素材でカバーできる時代

懇意にしているWeb制作会社の営業担当者様によれば、取材するにあたりカメラマンを手配しないことも多いと言います。なぜなら、カメラの性能が格段に良くなっているので、自分たちで撮影可能なケースが増えているからです。カメラマンを手配するよりも、性能の良いカメラを会社で買ってしまったほうが、長期的にみてコスパがいいんでしょうね。

また、昔に比べると、クライアント自身で画像を用意するケースも多いようです。いろいろな写真素材があるので、欲しい画像はネットで入手できるということでした。

要するに、ライターが撮影しなくても、コンテンツに必要な画像は誰でも手軽に用意できるのです

取材ライターに求められるのは、「思い」を汲み取ること

取材で大切なことは何か。僕は、インタビュイー(話し手)の思いを汲み取ることだと思っています。

インタビュー記事にしても、ホームページの文章にしても、インタビュイーには何かしら伝えたい思いがあります。それがうまく言葉にならないから、わざわざコストをかけてまでライターに依頼するわけです。

インタビュイーが話す内容というのは取材する人により変わってきます。質問の仕方、相づちの打ち方、間の取り方等、聞き手の姿勢によってはうまく話を引き出せないことも多いです。

誰だって、「この人になら話せる」「もっと話したい」と思えなければ、内に秘めた思いを打ち明ける気持ちにはなりませんよね。初対面の人なら、なおさらです

そう考えると、撮影にこだわらずとも、取材ライターとして力を尽くすべきところがたくさんありそうですね。

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