新型コロナウィルスの生存戦略

新型コロナウィルス(新型肺炎ウィルス)の話題でもちきりです。ぼくの住む横浜でも、豪華客船に3千数百人もの乗船客が足止めされたうえ、感染者が続々と増えている。

この新型コロナウィルスというやつ、考えてみると、ウィルスとしてはなかなかしたたかなやつだと感心する。報道を見る限りでは、感染力がとても強くて、感染しているだけの潜伏期間中に、症状が出ていない状態でも、ほかの人に感染するそうだ。そのくせ、感染はしても毒性や致死率はそれほど強力なわけではないみたいです。これはウィルスの生存戦略として、かなり優秀な方法ではないかなと思います。

たとえば、天然痘みたいなやつになると、感染力とともに死亡率がとても高くて、感染相手の宿主をすぐに殺してしまうわけですが、これはウィルスとしては下手なやり方です。なぜなら、感染相手である宿主というのは、ウィルスにとって自分たちの増殖を手助けしてくれる、ある意味、協力者あるいは道具でもある。それをすぐに死なせてしまったのでは、ウィルス自身にとっても損失になるわけで、宿主とともに自分たちも一緒に死んでしまうことになるのだから。

ウィルスとしては、「宿主を生かさず殺さずの状態」にしつつ、自分たちの増殖を手助けしてもらってゆくというのが、一番いい方法です。ウィルスもそうですが、寄生生活者というのはどれもそういう戦略が望ましいのですね。サナダムシや回虫などの寄生虫もそうで、これらの寄生虫は、宿主に害を与えはするが、殺すまではしないのです。

今回のコロナウィルスも、そうしたいわばソフトな戦略をとって感染者を増やしつつ、自分たちの増殖を図っていると見られるわけで、なかなかしたたかです。もっとも、ウィルスの増殖力が強いということは、それだけ突然変異種の出現率も高まるわけで、今後、感染力が強くて致死率も高いという、新種のコロナが出てこないとも限りませんが。

なにはともあれ、われわれ人類としては、一刻も早く対抗手段であるワクチンなど治療薬の開発をするというのが望まれるところです。

#ウィルス #コロナ #寄生生活  

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