ガソリンスタンンドのクソ女

ガラガラのガソリンスタンドに寄る
夜中だから客がいないということだろうか

エンジンを切るとカーオーディオが止まって一気に静かになる
車から降りると虫捕り用の蛍光灯のバチバチという音がする
飽きもせずに小さな虫が蛍光灯にぶつかり続けている

一応ガソリンの値段の看板を確認する
リッター140円くらい
いつもよりは少し高いのかもしれない
どのタイミングで安くなるのか高くなるのか相変わらずわかっていない
誰がどういうロジックで値段を決めているのかとかそういう仕組自体も全然知らない
そんなものは自分には関係ないに決まっている
どこかで頭のいい人がクルクルこねくり回しているんだろう

初めて来るガソリンスタンドでパネルの操作の仕方にちょっと戸惑う
機械には強い方だけど
それでも手順を踏めばなるほどねという感じでスムーズに進める
そのスマートさに関しては他の追随を許さない

レジに行って金を払う
いらっしゃいませの声も何も無い
まるで俺の方が場違いだとでもいうような空気

店員がクスクス笑っているような気がする
「何?」と聞くと驚いたような顔をする
若い女で茶髪のクルクルした感じ
俺に惚れているのかもしれない
そう思うくらいには夢中になれそうな女
それか知り合いかもしれない
知り合いの知り合いとか
こっちの方からは何も知らない

結局それ以上は何もなくて会計を済ませると外に出て車に乗り込む
エンジンをかけると同時に音楽が流れる
ロックバンドが穏やかにメロディーを奏でる

もう一度気になって女の方を見るともう一人の男の店員とこっちを見て本格的に笑っている
ブサイクなモジャモジャ頭の男が
ここで引き返して殴ってやるともっと笑えるんじゃないか
こっちだって腕に覚えがないわけじゃない
そう思って相手をにらむ
実際そうできたらどんなに素晴らしいだろう
だけどそこまでキレていないし何も考えていないわけじゃないのが俺だ
こっちだって笑ってやればいいじゃないか

それでも後ろ髪を引かれるような後悔めいたものが続く
ハンドルを握る手に力が入っている
俺はイライラし始めているのかもしれない
結局走りだしても我慢できずに道路に出てもやったことはせいぜい見えなくなるまでその女をにらんでやるぐらいのこと


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タヒニ

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