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【連載映画】 ”点と点をつなげる” という映画製作術

プロダクトや単発企画作品をローンチする時代は、終わっています。このトピックでは、「現代流映画企画開発」を、知ることができる。業界が提唱していた企業のためのルールを信じてしまっているアーティストの、ために書きます。

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アーティスト情報局:太一監督
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日本未発表の国際映画業界情報 あるいは、
監督がスタジオから発する生存の記
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『 もう単発企画は、育たない 』

”Connecting the dots(点と点を結ぶ)”とは、スティーブ ジョブズという企業内リーダーのスピーチによって再注目された要素です。過去にはまだ、リーダーが企業を指揮し、企業が業界を牽引して社会を先導できていた時代があったわけです。

ここでいうConnecting the dotsは先の例のような再現性のない結果論ではなく、具体的なシナジーの創出を意味します。

どんな企画をも細分化し、分散化の先に他の点と結びつけることで、より大きな成果を獲得することは、数字が証明しています。結果現代には映画企画にも、より大きな点との結びつきを実装することが必須になっています。

そこで、日本に入っていないニュースをお知らせします。

■ 最新国際ニュース:ギレルモ デル トロ監督、ストップモーション映画「Pinocchio」の舞台がファシスト政権下のイタリアである理由を解説

ギレルモ デル トロ監督の最新作「ナイトメア アレイ」と、彼が制作中の長編アニメ「ピノキオ」を結びつけるような要素は、紙面上ではあまり見当たりません。Rotten Tomatoesにそのことを尋ねられたデル トロ監督は、つながりを指摘しています。その結果、ストップモーション アニメーション作品の主要なテーマのひとつが明らかになりました。

「両作には類似性があります。”ピノキオ”は、人間を人間たらしめているものは何か、人間を人形たらしめているものは何かというテーマを扱っています。イタリアのファシスト政権下でムッソリーニが台頭してきた時代を舞台に。人形を人間に見立てることもできます。これは本当に面白いテーマですよ。」

デル トロ監督は、すでに長い間、この古典的なおとぎ話に取り組んでいます。しかし彼はこの物語を利用して、人形と人間の違いや共通点について、政治的、社会的な解説を加え、世界史の中の論争の時期を利用して、その点をさらに強調しています。 
- DECEMBER 31, 2021 IndieWire -

『 ニュースのよみかた: 』

ギレルモ デル トロ監督はファンタジー人形アニメ大作に社会派テーマをリンクしている、という記事です。

少年少女ファンタジー作品が劇場に両親を引き込んだ時代は過ぎ、ストリーミングフォーマットにおいてはそれすらも、主流の“社会派ドラマ化”することを選択しているわけです。実に大胆ながら、的確なリンクの実現です。

『 単体映画は、求められていない 』

単発企画はもう、通用しません。

プロセスをエコノミー化する収益モデルは魅力的ですが、我々アーティストの魂には響きません。ですが、“より濃密な作品表現を実現できる機会”とあらば、逃しはしないでしょう。

一つの映画企画を徹底解析して細分化し、他企画とリンクできるコネクターを装備することが重要です。作品を創るのみならず、“未使用の可能性”を抽出することに尽力し、全方位に解放するわけです。

『 “連載映画”情報解禁へ 』

まだ、解禁はしません。
情報感度が極端に高いごく一部の同志への、限定的なアナウンスだとご理解ください。そもそもに、“一般観客”の集客を求める映画企画開発にこそ邪な目的が透けてしまう現代ですので、舞台挨拶的な発表も必要ないと考えています。

企画の開発時点から、みなさんの目の前で、映画を創ってみようとしています。スマートには振る舞えませんが、苦悶にのたうつアーティストの滑稽な創作活動をお楽しみいただければ幸甚です。

『 連載映画は、“リンクする映画” 』

映画は劇場公開までに最短でも半年、一般的には8ヶ月以上の準備期間を経て完成されますつまりに、どの映画の物語も常に、かなり時代に遅れているわけです。ならばと挑む我々は限界までリアルタイムを追求した結果に「連載」という手法にたどり着きました。

リアルタイムだからこそ、アーティスト、文化人、企業、プラットフォーマーとの連携を強化し、一般劇場公開映画では実現不可能なシナジーを創出する決意です。

映画のタイトルは、「OPUS 1895」

やがてすべての情報が、リンクします。

『 編集後記:』

正月02日に集う仲間たちに、未来を感じます。
リーダーを持たない分散型コミュニティの日常は実に合理的で、速いです。指示プロセスがない自発的な行動は一方で各自の責任下で機能しており、

未来だけを見つめて現在を駆け抜ける、映画製作の現場へ帰るとしましょう。では、また明日。

■ 太一(映画家):アーティスト業界情報局 × 日本未発表の国際映画業界情報 あるいは、 監督がスタジオから発する生存の記