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【 連載映画 】数字が本質を語らないアーティストという生き方

人類総クリエイター時代、アーティストを保護することが緊急事案になっています。このトピックでは、「クリエイターとアーティストの違い」を、知ることができる。自らを“アーティストと呼称する素人”を見過ごすことが文化への冒涜だと気づいていないアーティストの、ために書きます。

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アーティスト情報局:太一監督
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日本未発表の国際映画業界情報 あるいは、
監督がスタジオから発する生存の記
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『 クリエイターは、アーティストではない。 』

クリエイターとは職務または肩書きであり、アーティストとは“生き方”です。異なる両者でありつまりに、クリエイターは、アーティストではありません。アーティストがクリエイターになることは可能ですが両立は適わずまた、クリエイターがアーティストになることは不可能です。

そこで、日本に入っていないニュースをお知らせします。

■ 最新国際ニュース:ピカソの孫娘と息子、相続人管理者によりNFT化を撤回させられる

ピカソの息子と家族が、NFTの大規模セールの報道は「完全に間違っている」と語った。相続人は、芸術家パブロ ピカソの孫娘マリーナ ピカソとその息子で曾孫に当たるフロリアン ピカソが、ピカソの陶磁器アート作品をNFT化して1,010枚シリーズで発売することを発表しました。

NFTには、DJであるフロリアンが制作した楽曲が添えられていました。

しかし、ピカソの名前の使用を監督しているピカソ アドミニストレーションの弁護士であるジャン ジャック ノイアー氏は、「メディアを通じて伝えられた情報は、完全に間違っている」と発言。

パブロ・ピカソの3人の子供と2人の孫は、ピカソの名前という知的財産を共同で所有していますが、NFTプロジェクトを許可することができるのは、ピカソの息子であり、ファミリーの管理者であるクロード ルイス ピカソだけです。

孫娘と曾孫はその後、自分たちの主張を撤回。曾孫フロリアンの弁護士であるシリル ノーターマン氏は、「NFT化はフロリアンが単独で行ったものである。最初からもう少し明確にしておくべきだったかもしれない」と語っています。 - JANUARY 28, 2022 ARTnews -

『 ニュースのよみかた: 』

偉大な祖父の作品に、作品保有者が便乗も、NFT化の権利は無かったために撤回、という記事です。

作品を保有していると希に、「権利も保有している」と勘違いする者が現れます。本件ではそこに、自身の稚拙な楽曲を加味して二次創作する、というグロテスク案件でした。Kindleで購入した小説のエンディングを書き換えて再販売するようなものだと、理解してみるのはどうでしょう。

『 クリエイターとアーティストの違い 』

クリエイターとは、他者企画に技術を提供する受注業のこと。自ら創作の種を育むアーティストとは、異なります。さらに、クリエイターが自身の企画作品を創作する場合、それは作品ですしかし、アーティストが生み出す作品とは、別種です。クリエイター作品は業界史の文脈において評価対象外であり、アーティストのみが芸術界、映画界とリンクしています。

異論があることは承知です、YouTuberによる壮大なクリエイティヴやNFTというムーヴメントは仮想業界以上の成果を挙げているためです。しかし残念ながら、人類史上最も売れたカップヌードル、ユニクロがハイブランドではないようにそれらは芸術に、対象外です。

『 NFTアートという誤解 』

NFT作品はアートではありません少なくとも、現在においては。WikipediaがNFTをアートと見なさない、と発表したことは偶然ではありません。

では、NFTの中に芸術作品は存在しないのか、といえば存在します。ただし、圧倒的多数は素人によるクリエイティヴか工作、タレントによるパフォーマンスであり、評価対象外です。NFTの中に存在する芸術作品とは、業界と歴史が認めた芸術作品が“NFT化”された結果です。

いまだNFT初の芸術は、誕生していません。

『 連載映画という闘い 』

国際映画スタジオNOMAが、世界初“連載映画”を始動しています。これは、既存の映画企画開発のプロセスを逆転し、業界ルールを破壊する行為です。

映画企画は一般的に、壮大なビジョンを掲げて誕生し、現実に削がれて痩せながら誕生してきました。一方で、NOMAによる“連載映画”は、リスクヘッジの果てに濃密な“企画の種”を生成するところから既に、公開がスタートします。毎週1作各1分間のアニメーションは、1ヶ月に4作4分間、1年で48作、2年目の96作品は連載を経て96分間の映画として、劇場公開されます。

総合芸術とされる映画は、連載映画というフォーマットを介して都度、あらゆる可能性を吸収しながら成長し、最大化の果てに誕生します。

NOMAは、あらゆるアーティストとのコラボレーションをも実現しながら近未来のルールを実証し続けます。ただし、クリエイターとは組みません。

『 編集後記:』

MacBook ProのAppleロゴの向きは、逆であるべきです。

現行のProにもMacBook Air、iPadやiPhoneと同じ向きのロゴがついています。ラップトップを開いた状態で、「対面にいる人物から正対に観える向き」なわけです。クリエイター以上をターゲティングしたプロダクトであり、観客やユーザへの作品を創るために使用されるであろうMacBook Proはこそ、Apple社と同じ向きからゲストをみつめるアーティストのために、“リンゴマーク”は、上下を逆さにすべきです。

創作作業に入る瞬間、観つめ合うべきです。禅を学んだジョブズさんなら、刀を交える前に互いを認めて礼をする、その意義に気づいてもいい。

命を賭した闘いにもマナーを忘れず、映画製作の現場へ帰るとしましょう。では、また明日。

■ 太一(映画家):アーティスト業界情報局 × 日本未発表の国際映画業界情報 あるいは、 監督がスタジオから発する生存の記