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【価値を再定義する】アーティスト作品は正しく評価されていたか

所有権に翻弄された作品の運命はいま、新たな分岐点にある。このトピックでは、「作品の価値化とリスク」を、知ることができる。“創るプロフェッショナル”でありながら実は作品管理と保存に素人なアーティストの、ために書く。

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アーティスト情報局:太一監督
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日本未発表の国際映画業界情報 あるいは、
監督がスタジオから発する生存の記
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『 体験と所有 』

芸術作品は“鑑賞”するものだとされているが、絵画にせよ映画にせよ書籍や音楽にせよ、それでは成り立たない。製作どころか、維持管理の費用すら捻出できないのだ。

実際には、「所有という体験」を売っている。

そこで、日本に入っていないニュースをお知らせしておこう。

■ 最新国際ニュース:バンクシーの絵「Love Is in the Air」が1万枚のNFTにフラクショナル化される

バンクシーの、ブーケを投げる仮面の男《愛は宙に浮いている》2005年だ。「お金がなくても、自分の好きな絵に少しでも関わってみたいと思っていました」クリスティーズの現代美術部門の責任者だったロイック グーザーは、Particleの共同設立者でもある。

Particleは、伝統的な芸術作品をParticleと呼ばれるNFTの集合体に変換することで所有権を細分化し、何千人もの人々が特定の作品の所有権を共有できるようにすることを目的とした、新しいNFT企業だ。今年の夏、ベンチャーキャピタルから1,500万ドルのシード資金を得て、会社としての存在を発表した。

Particle社は2日、最初の作品として、バンクシーの『Love Is in the Air』(2005年)をオークションで1,290万ドルで落札。この作品は、10,000個のNFTに分割され、それぞれが絵画の“一部分”を表している。

「1月10日から1月14日までの期間、「Love Is in the Air」の初回提供を行い、コレクターは約1,500ドルで作品のパーティクルを購入することができる。初期販売の後、ParticleはNFTのプラットフォームで流通市場に投入されるが、その価値がどのように変化するかはわからない。

「Love Is in the Air」の物理的なバージョンは、非営利団体であるParticle Foundationに引き渡される。Particle Foundationは、作品の維持、保存、ツアーを行い、コレクターが正当に所有権を主張できる作品を見ることができるようにする。

また、Particleの再販で得られるロイヤルティ(他のNFTと同様、Particleにはスマートコントラクトが組み込まれており、再販価格の一部がNFTのクリエイターに還元されるようになっている)は、Particle Foundationの資金の一部として使用される。また、Love Is in the Air Particlesの1%を財団が保有し、プレスリリースによると、"保護用のシャードとして、誰も物理的な絵画の所有権を主張できないようにする "とのことだ。

膨大な数のコレクターの間で、それぞれのParticleの価値が変動するという事実には複雑な要素が含まれており、物理的な作品を販売しようとするのは非常に複雑なこととなる。

その欠点とは、変動の激しいNFT市場で各投資家が自分の資産をマーケティングし、販売しなければならないことだ。ParticleとParticle Foundationは、一種のメタミュージアムを創造するという野望を掲げている。 - DECEMBER 01, 2021 THE Hollywood REPORTER -

『 ニュースのよみかた: 』

物理作品をNFTにより10,000個に株式分割して所有という体験と提供したが、作品管理の責任と保存可能性も細分化という記事。

それが作品の未来を輝かせるのか、殺すのか、それは“株主”たちのリテラシーに委ねられる。相続の問題など、論じる段にもない。

『 作品は誰のものか 』

実に、そこを語ることには意味がない。権利が細分化可能な現代において所有権とは単なる「体験」にまで落とし込まれようとしている。セカンダリーから相続を経れば作品はやがて、所有者が価値をコントロールできなくなる。キュレーターの職務はアーティストと投資家のマッチングではなく、作品のブランディングになる。

『 アーティストの作品意識が試される 』

作品評価は、“アーティスト本人の価値”で決まっている。作品性やクオリティは重視されず、マーケティング含むアーティストのアクションが、作品価値を創出しているのだ。実に腹立たしいが、現実である。

ならばこそ、“本物のアーティスト”はどんなときにも生涯、作品への責任と権利を有し続けねばなら合い。作品を守れるのは、アーティスト本人に他ならないのだから。

『 アーティストが作品権利を有する方法 』

自身の作品を、購入することだ。
企画開発にはリスクを負い、私費を投じる。作品を創りあげたなら権利を価値化して販売するがその対価を自作の購入に再投入するべきだ。「それでは生活できない!」というアーティストがいる。

甘えるんじゃない。作品の運命を守り抜くためにはアーティストの命など、取るに足らない。自己破産も生活保護も知能犯罪の知識もある勉強家なのだからこそ、自作の権利を(その一部であろうとも)有するために生きてはどうか。死は、アーティストに用意されている安らぎなのだから。

『 編集後記:』

Macがフリーズする。
ベンチマークを測ろうとしていたところ不穏なフリーズがあり、フリーズした場合の対処法をググっていたその画面がフリーズして対処不能に陥った。こんな状況を脱して最適化するのが楽しくもありいや、遊んでいる場合ではない。

混乱を最適化してなお妥協を排する、映画製作の現場へ帰るとしよう。では、また明日。

■ 太一(映画家):アーティスト業界情報局 × 日本未発表の国際映画業界情報 あるいは、 監督がスタジオから発する生存の記