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波乗り、光、

遠ざかる
遠ざかる
旅立ちの時、涙に用はない
伝播すべきことは跡形もない
優しい唇が濡れている。

遠ざける
遠ざける
怖い夢夜に、裸じゃ頼りない
連呼していたのは他でもない
甘えた寝息を抱き寄せてみる。

艶美な吐息で浚ってくれ
尾を引く感情を、それを創る情景も
蒸しタバコの似合う横顔
夜だけが折重なり赦しとなる。

罪を飾る流しがいたな
酒を浴びる客に従事し
同時に支配していた。
この記憶は出生不明の代物で
持て余してまた、喉の渇きを
小月より滴る蜜で潤す。

遠ざかる
遠ざかる
既存の経路に光を撒いて
伝播し終えた鐘を打ち鳴らし
優しい唇は微笑んだ。


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