セカンドハーフ通信 第96話 少しだけ遠くに行こう

少しだけ遠くに行こう

散歩のついでに立ち寄っていた銭湯が1年ほど前に廃業してしまい、気軽に歩いていける距離にある銭湯が1つだけになってしまった。

時にはなじみの銭湯ではなく、他の銭湯にもいきたくなる。さりとて近くに銭湯はない。そこで、マンションの貸自転車で、少しだけ遠くに行くことにした。目標は自転車で20分ほどのところにある銭湯だ。

都心は意外とアップダウンが多い。市ヶ谷、四谷、千駄ヶ谷というように谷を冠する地名があり、神楽坂を筆頭に数えきれないほどの坂道がある。それらの地名は江戸時代からの由緒をもったものだ。

その谷や坂をヒイコラいいながら自転車をこぎ、休みがてら寄り道をする。すると色々な面白いものが目に入ってくる。手作りパン屋や焼き鳥屋、ペットショップ、自然食品店。それに博物館、歴史館や文学館などもある。

自衛隊の本部を横目で通り過ぎると、たくさんの人がぞろぞろ行き交う。まるで大きな会社のようだ。自衛隊というと戦闘服姿がイメージされるが別の姿もあるのだなと思った。

馴染みの場所からちょっと先足を延ばすと、自分の興味以外の情報が入ってくる。新しい情報は新しい興味を喚起してくれる。面倒がらず、少しだけ遠くへいくこともたまにはいい。

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