外資系企業人事部長の部下へ宛てたHR Letter「グローバル企業での働きかた」第35話 ラーニングアジリティ

第35話 ラーニングアジリティ

数あるコンピテンシーの1つとしてラーニングアジリティという言葉があります。日本語にすると「学ぶことのできる力」とでもいうべきでしょうか。私は、色々な知識、スキル、考えを吸収し、自分のものにできる力と捉えています。

私はこのラーニングアジリティをその人を評価する上でも非常に重要に考えています。なぜなら、現在の実力よりも成長できるかどうかはこの力によっていると思うからです。

色々な方と議論をした際、場合によっては問題を指摘し、修正をお願いしなくてはいけません。そんな場合に相手のいったことを理解し、問題を修正でき、そこから次への教訓を得られる人は更に成長することができます。

一方、自分の考えに固執し非を認めず対立を繰り返す人はそこから学ぶことはなく、したがって成長することもないわけです。

あるいは、自分に自信がありすぎで、「そんなことはわかっている」「簡単だ」という調子で日々をすごしている人も学習する機会は少なくなります。いや自分は毎日勉強しているし、学校にも通っているという人がいるかもしてません。しかしながらラーニングモデルの話で既に説明したように、能力開発は70%が日々の業務上の経験から生み出されるわけですから、人の意見を聞くこと、業務の中に転がっている学習の機会をいかに活用するかの方が重要です。

ではラーニングアジリティを身につけるにはどうしたらよいでしょうか?

まずは、素直な心をもって人の話を受け止められることです。色々な固定観念やバイアスを通して話を聞いていないかを常に意識しなければなりません。次に好奇心をもって、すぐに行動に移せることです。機会があったときに自ら手を上げてその機会をつかむことができるかどうかです。また「Sense of Urgency」の意識を持ってフットワーク良く動けることです。

年をとったからといって好奇心を失ってしまい、新しいことに挑戦できなければラーニングアジリティは衰えたといえるでしょう。


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