セカンドハーフ通信 第60話 よい会社を見極めるポイント

よい会社を見極めるポイント

よい会社を見極めるポイントは、経営者が社員の定着率(離職率)を気にしているかどうかだ。会社の良し悪しを判断することは一般に難しいが、定着率(離職率)はデジタルに追うことができるので明快だ。

社員が退職することの経営に対するインパクトは非常に大きい。そのことを経営者が理解しているかどうかは、よい経営者かどうかに直結している。

会社にとって社員が辞めることのデメリットには大きく3つある。

一つ目は新たに採用コストがかかることである。人材紹介会社のコストに加え、採用活動に費やす人件費は大きい。

二つ目は採用者をトレーニングするコストと1人前になるまで生産性をあげるためのサポートが必要なことだ。

三つ目は退職者がでることで周りの社員のモチベーションが低下及し、退職リスクがアップすることだ。

エクセレント企業と呼ばれる会社ではこれらの問題が認識されているため、経営状況をチェックする指標に「離職率x%以下」を入れて変化を毎月チェックしていることが多い。離職率がアップした場合、それに対するアクションプランを作って改善する。

例えば、人事が退職者インタビューを実施して、要因分析をしたり、上司が個人面談によって会社に対する不満を吸い上げたりする。退職理由から、経営者からは見えにくい問題、課題に対処することで退職率の改善につなげていく。

一方、業績アップだけに集中している会社は、働いている人の不満を吸収できず、結果、退職者が増え、先に説明したような経営のデメリットにつながり、業績を落とすというネガティブサイクルに入っていく。

定着率を気にする会社とは、人にやさしい会社というだけでなく、経営リスクもわかっている会社だ。


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