セカンドハーフ通信 第29話 長期一斉休日は必要か?

長期一斉休日は必要か?

10日間のゴールデンウィークをフルにとれた人はどのくらいだろうか?国の産業別就業者比率によると、サービス業20%、卸小売業16%、医療福祉15%、運輸郵便5%となっているので、約50%の人はゴールデンウィークでも働いていることになる。休んでいる人がいれば、その人の活動を支える人が必要になるので、この数字は納得がいく。10日間のうちの一部だけ休んだという人も少なくないと思う。

そもそも一斉に休みを取ることがよいことなのか? 海外では文化的な背景のイベントをのぞいて、一斉に長期休日を取ることを国が主導するだろうか?とも思う。少なくとも、海外ではサマーバケーションは長期休暇を取るのが一般的で、各人がそれぞれの都合を調整している。

一斉に長期で休みを取ることのデメリットは少なくない。旅行料金は高くなり、ものの値段もゴールデンウィーク価格になるものもある。道路は渋滞し、エンタテインメント施設も長い待ち時間になる。サービス業は長期連休になるとフル稼働になるため、従業員のシフトが非常にタイトになるし、長時間労働を強いられる。

国が長期連休を推奨するのは経済政策上良いことに見えるかもしれないが、50%の人は長期連休のために不規則な業務対応を迫られることになる。また、実質賃金が上がっていない中、一時的に消費を刺激したとしても、その反動でゴールデンウィーク後に消費の冷え込みが起きる可能性がある。結局トータルで消費が伸びるのか?ということになる。

国力の指標の1つである国内総生産(GDP)の世界での比率は1994年の17.7%から2017年の6.1%まで低下しており、日本の競争力は低下の一途であるのが現状だ。その中で、長期一斉休日を推進することは本当に正しい判断だったのか?

働き方改革とは休みの数を増やすことが目的ではなく、労働の質を向上することだ。マクロ的な視点にたつと、このような休日増は目的にあっていない。長期の一斉休日を推進するのではなく、3〜4日の短期連休を増やしたり、個人ごとの休日を取りやすいように推奨する方が理にかなっていると思うのは私だけであろうか?


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