セカンドハーフ通信 第31話 ハーフビルドの楽しみ

ハーフビルドの楽しみ

自分の趣味を見つけたいと思ったら、1つの方法として、日常に必要なものを自分で作るということがあると思う。DO IT YOURSELF だ。対象は衣食住全般で、食べ物ならそばやうどん、味噌、梅酒、野菜作りなどから、住まいは机、棚、服なら服、バックといくらでもある。

私が見つけたのは、ハーフビルドで家を作るという趣味である。ハーフビルドとは、基礎や土台、屋根は大工さんに作ってもらうが、その他はできるだけ自分で作るという家の建て方だ。サラリーマン時代も含めて、ワンルームマンションのリノベーションなど小さなものもいれると4回ハーフビルドをおこなっている。また、今年の夏には5回目のハーフビルドを始める予定だ。

ハーブビルドの楽しさは色々あるが、まずは趣味と実益を兼ねることだ。物を完成させていくことの楽しさは誰でも経験があると思う。その巨大サイズ版と考えればよい。具体的には壁や天井、床を作ることやデッキ、棚などを作ること、塗装をすることなどだ。

はじめはうまくいかなかったが、諦めずに続けていればだんだんと上達してくる。初めてのハーフビルドでは、漆喰の壁塗りのあとがいかにも素人的な雑さが残ってしまった。いずれにしても大工さんのように完璧にはいかないが、あまり小さなことにこだわる必要はない。小さなミスは大概わからないものだ。

ハーフビルドのもう1つの楽しさは、作りながらいい案が浮かべば、その都度方向修正できることだ。途中から「この部分はこうしよう」と思えばプランを変えていく。小さな改善を重ねてゆくのも楽しみのひとつだ。

また、ハーフビルドは素材を自分で選べるのも魅力だ。例えばどんな木を使うのか、集成材、ベニヤ、合板、松、杉、くるみ、桜、オークなど、素材によって質感が違う。壁はペンキ、漆喰、珪藻土、壁紙のどれにするかも考えなくてはいけない。こう考えていくと、家という大きな芸術作品を製作しているようなものだ。

家を作るのにはそれなりに時間が必要だ。仕事を持って働いている人なら、週末毎に行っても1年以上かかるだろう。ゆっくり、じっくり、こつこつと作るということになる。根気はいるが自分の生活する空間を自分の好きなように作るという究極的な楽しみになる。

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