セカンドハーフ通信 第120話 軽井沢の夏

軽井沢の夏

軽井沢も本格的な夏を迎えている。標高1000メートルではあるが、昼には30度まで上がるのでかなり暑い。さすがに木陰にいくと高原の涼しい風を感じることができる。

東京との違いは夜になると一気に気温が下がることだ。20度近くなるので熱帯夜ということはない。だからクーラーなしで眠ることができる。

私の一番好きな時間は夕暮れ時だ。夕方5時から6時ごろ、まだ空は明るい。太陽は水平線の近くまで下がっているのでその存在が気にならない。太陽の光を斜め下から受けて、空が美しい青をくっきり見せてくれる。

暑さのピークは越えており、空気も少しずつここちよい温度になっていく。慌ただしかった人の気配も落ち着いて穏やかな時間が流れ始めている。

まだ空はけっこう明るいのだが、あらゆるものの動きがピタッと止まる時間でもある。空を見ていると永遠にこの時間が続くような気もしてくる。

ごろっと横になって、漠然とこれまでの人生について考えてみる。あの時、ああしていれば今と違った生き方はあっただろうか?そうしたら今頃どんな暮らしをしているだろう。

しばらくの間、物思いにふけって穏やかな時間が流れていく。




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