みなさんこんにちは
人道支援家のTaichiroSatoです

最近の自分の投稿をみて、仕事の話をすればするほどディープな話題になるので自分で読み返しても「くらい！」ということで。
今回は、日曜の午前にふさわしい、明るい思い出話を綴っていきたいと思います。
元々noteを書くことは自分の思考展開を綴るためのものですが、僕自身はとても楽観的でなんでも楽しもうとする傾向があるため、楽しく明るい記事を書きたい気持ちが常にあります。

2021年2月。
僕がアルジェリアのサハラ砂漠で医療活動をしていた時に考えた事を書いていきます。

※ムスリム（イスラム教徒）を最大限にリスペクトしたうえで、僕なりの視点で書いていきます。決して悪く言いたいような思いはないのでご理解いただけると幸いです。

サハラの民たち
僕は、サハラ砂漠で医療活動をしている。
世界はコロナ騒動真っただ中。日本の大企業とアルジェリア政府が連携をし、大きな石油プラント工事が進んでいたさなかにコロナによってすべての工事がストップした。
その工事を再開するため、医療施設を砂漠の石油プラント工事の為のスタッフ（1000人以上）が寝泊りをするキャンプ地でメディカルセンターを立ち上げ、水際対策や診療所運営をしていたのである。

アルジェリア南部はイスラムの町。
街といってももっぱら砂漠だが、どこであっても僕の知っているサハラの民たちはムスリム（イスラム教徒のこと）で1日5回お祈りをする。

日曜の朝。
日が昇る前４時過ぎには1回目のお祈りの時間。
イスラムのお祈りにはクルアーン（日本語ではコーランといっているイスラムの聖書）が大音量でスピーカーからすべての生活エリアへ届けられる。
読み手の皆さんの中にも、もしかしたら本場のクルアーンを聞いたことがある人もいるかもしれない。

僕はその時、自分の部屋（コンテナハウス）でまだ夢見心地だが大音量のクルアーンが流れているのをなんとなく気が付き、今朝の4時過ぎだなーと理解し、また眠りに落ちる。

次のお祈りは、昼ご飯の前。
一同は一斉にキャンプ内に作成したモスクへ行き、祈りを捧げる。
それからご飯を食べるのだ。

あぁあ゛～～～～あっら～～～あくばる。
あぁあああ゛～～～～～あっら～～あくばる。

こんな感じでクルアーンは、東京ドームの全館放送のような勢いで流れるのだ。

皆さんは知っているだろうか。
実はこのクルアーン。すべて生放送なのだ。
ウラマーと呼ばれる（キリスト教プロテスタントでいうと牧師、カトリックで言うと神父に当たる）人が、一回一回声高らかに謡い詠みあげる。

実は巷では、この詠み手のひそかなる評判会が行われている。
僕の仲間たちの間では、
「今日の詠み手はイマイチだな」とか
「あー駄目だ聞いてられん！」とか
好き放題言っているものだったりする。

人ならだれでも、
歌が上手い、下手、があるように、
どんなに毎日練習していても、
声色の好き嫌いや、その日の声の調子が良くないなど
自他ともに様々な因子に左右される。

時折、マイクが入る前に、
「う゛うんっ！」
と咳払いするところが入ってしまったりすると
ムスリムじゃない僕としては
「気合入ってるなー」とクスッとしてしまう時もある。

そんな中、
この人の声はきれいだなーと思う僕のお気に入りの謡い手がいた。
僕の仲間たちもあの人のクルアーンは最高だよーと太鼓判。

言いクルアーンの謡い手がくるとその日の気持ちのノリが変わってくるものだ。
慣れてくると
謡い手の調子の良し悪しがわかるようになる

僕は謡い手が絶好調の時のクルアーンがとても好きだ
己に酔いしれているのがわかる

仕事が終わり日没の時のお祈りの時間。
僕らのお気に入りの謡い手がいつものように始める。
（ーかっこの中のコメントは僕の心の声を反映したものであるー）

あぁあ゛～～～あっら～～あくばる。
（あ、夕方のクルアーンがはじまったぞ。いつもの人だ！）

あぁあ゛～～～あっら～～あくばる。
（相変わらずいい声だな～）

んん゛゛～～↑↑～～あぁあ゛ぁ～↓↓～～～
（ん、どうやら今日は調子がよさそうだ）

あっ～～ら～～～～～～～～～～～～～～
～～～～～～～～～～～～～あくばる。
（・・・あ、これは　（ゾーンに）入ったたな。。。）

あぁあ゛～～～～～～↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑

（おぉおおお！すんっごい　アレンジ！！）

あぁあ゛ぁ～↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓～～～～～

（　うぉぉぉぉぉーーー　ｷﾀ――(ﾟ∀ﾟ)――!!！！！！）

あっ↑↑ッ～～ら↓↓～～あくばる。
（・・・・）

あっ～～ら～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～くばる。
（もーこれはだれにも止められんな。。。最後までお楽しみくださいm(_ _)m）

・・・10分程続いた。

彼の声色に
皆が酔いしれ！？
彼自身が酔いしれ。
僕らのサハラ砂漠の一日のが今日も終わり
明日も彼の声で起きる。

そんな、サハラとムスリムの日常。
いつもと同じ習慣も
調子に合わせて自分に酔いしれる
周りもそれに載せられていい時間を過ごすことができる（のかもしれないｗ）
ありきたりな日常をそんな風に楽しむのもありかもしれない。

イスラムの祈り。コーランの声色に酔いしれて

おしまい。
みなさんよい日曜日をお過ごしください。

※投稿内容は全て個人の見解です。
最後まで記事を読んでいただきありがとうございます！
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また次回お会いしましょう。
Best,
Tai

✎2024年より✎
2024年1月1日　能登半島地震で被災された皆様、1日も早い安心安全な日常への復旧を願うとともに災害に関わる医療者として自分に出来る形でのサポートを模索していこうと思います。
亡くなられた方々へのご冥福をお祈り申し上げます。
被災地への僕なりの形として、国内外の災害に精通する医療者として、日本の民間企業の災害支援事業をアドバイザーとしてサポートすることになりました。一般社団法人Nurse-Men のメンバーを中心といた民間の災害対策本部を設置し、中長期的な被災地支援を実施していきます。
ご支援いただけますと幸いです。

尚、ぼくの投稿は全文公開にしていますが、有料記事設定しています。
頂いた金額は2024年1年間は能登復興支援に活用させていただきます。
よろしくお願いします☺

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