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【人道支援家の夏休み】La tete de poison ~魚の頭は食べますか~

割引あり

今僕は、カメルーンで夏休みを過ごしている。
カメルーンのKribiというビーチでのんびりと一日を過ごしているわけだが、晩飯を食べにレストランに行ったり、ビーチのあたりをのんびり歩いてみたり、ちょっぴり外出はしたりする。
そして、外出をしていると有名人さながら、かなりの確率で握手を求められる。
そこら辺にいるおじさんからも
「シノワ―(中国人)!」と近づいてくる子供たちからも
露店で何かしらを販売しているおねぇちゃんからも
十人十色だ。
 
なんてこったい、みんなめっちゃいい奴らじゃないかカメルーンは!
そんなことを思っていると、僕が通り過ぎた後、
あのジャポネ(日本人は)ケチな野郎だぜ!
と言っているのが聞こえる
ひたすらに、金くれと手を差し出してくる人の群れに
大谷翔平さながらに笑顔でCa va?(元気?)と握手をしまくっていた僕。
そこで初めて
握手じゃなくて「金くれよ」だった、、、ことを知る僕なのであった。

どうやら、世の中知らない方がいいこともたくさんあるらしい。

改めましてども、人道支援家のTaichiroSatoです。
今回はすこし風変りにちょっとした小ネタからスタートしてみた投稿。
1週間の夏休み休暇中にビーチで過ごす、僕と魚の不思議な関係について文字描きをすすめていきます。

カメルーンの魚の頭🐟
時を遡ること1週間前。
メディカルチームのボスであるジーセーと水衛生のプロであるニナと晩御飯を一緒に食べていた時のこと。

ジーセ)なぁ、タイ。来週から夏休みだろ?魚の頭に気をつけろよ。帰ってこれなくなるぞ。
ニナ)ははは。タイ!魚の頭は食べなきゃだめよ!あなたには必要だから。

魚の頭?なんだそりゃ。
その後も、仲間たちが口々に僕に言ってくる。
「魚の頭を食べろ」「魚の頭は食べちゃダメだ」
ちぐはぐだなぁーなんて思いながら、それがなぜなのか、誰一人僕に教えることなく、カメルーンへの出発の日を迎える。

一体、魚の頭には何があるのだろうか?
ちょっとした好奇心と恐怖心を持ったまま、
僕は飛行機に乗り込んだ。

人道支援家 夏休み一日目
友人のジュールが僕を空港まで迎えに来てくれ、魚の頭の件でモヤモヤしていた僕はジュールに出会って早速聞いてみることにした。

僕)ねぇジュール。カメルーンのビーチで魚の頭を食べろ、食べるな、ってみんなから言われてるんだけど、カメルーンの魚の頭には何かあるの?
ジュール)はーはは。タイ。そりゃ傑作だ。魚の頭を食べたら、その子を嫁にもらうんだよ。
僕)ええ、、、嫁にもらう。そうゆうことか。
ジュール)まぁ、それも昔の話だよ。今はそんな話はほとんどない。

僕の頭の中でジーセーとニナとの会話がよみがえる。
魚の頭を食べてカメルーンから帰ってこれなくなる。お嫁さんをもらいそこに骨をうずめるってことだったのか。シングルである僕をからかってのことだろう。冗談なのはわかっているが、ただ何となく気になり、魚の頭が僕の頭から離れなく立っていた。

その後ジュールと別れた僕。
カメルーンで一番のビーチタウンであるKribiへ移動。
5時間のバス移動を経て夜20時に到着。その日は夜遅かったのでとりあえず寝ることにした。

夏休み二日目

ビーチでだらだら過ごしていると、胡散臭そうな兄貴が僕に近寄ってくる。
大体僕に近づいてくるのは、物売りか金くれ(経験済みだ)のどちらかだ。

だが、エリックは違った。
お土産屋さんである彼は、閑散期であるKribiビーチであんまりにも客がいないもんで、暇すぎて死にそうだと話始める。
これも最終的に何か買わせる手口だろうと警戒している僕。
エリックは17時仕事終わりに(仕事おわりといっても誰もいないビーチで何もしていない彼)一緒に飯を食いに行こうぜと誘われ、特別僕もすることはないし、一人で食べるよりもいいかとおもって、彼と待ち合わせることにした。

17時15分程で僕が待ち合わせ場所に顔をだすと、
日本人ってのは本当に時間にきっちりしてやがるぜ、と満面の笑みで僕をバイクの後ろに乗せ魚が上手いと評判のビーチの真ん前のレストランに連れてってくれた。

魚でいいだろ?あとはフライドポテトでいいか?
8000フランだって、いいか?

こんな確認してくれる人に会う機会はめったにないので、
感心していると間もなく、魚が僕らのもとに運ばれてくる。
ここ3か月ほど、海のとれたての魚を食べていなかった僕は、
その完璧に焼きあがった美しさと香ばしい匂い
目の前に広がるビーチと夕日、潮の匂い。
この全てに唾をのむ。。

こんなロケーションでおじさん2人で魚を食べる

いっ、、いただきます!
エリックも腹が減っていたらしく、二人で魚をほおばる。
うっんまい!!
本当に海とれたての塩焼きの魚はうまい。レモンをちょっと絞る。
泣いてもいいですか、、うまい。。

チャドで体重が激減した僕の胃袋は想像以上に小さくなっていて、魚を半分くらい食べたところですでにお腹がいっぱいだったが、ここぞとばかりにむさぼりつき、完食したのだった。
食べ終わった魚を見ながら僕は、魚の頭を見つめる。。

魚の頭、ついにその時を迎える。
散々皆から頭について洗脳された。
僕の頭は魚になってるんじゃと思うくらい頭から離れない。

このイメージが一番近い


カメルーン人のジュールに昔話だと言われつつも、
ついに僕はこの時を迎えたのだ。

魚は食べ終わった。。
これが、カメルーンでの魚の頭か。。
ちょっとあたりを見回し、
さっき料理を出してくれたお姉さんをチラ見する僕。

僕の目線がよそよそしく動く。
魚の頭→お嫁さん→魚の頭→お嫁さん。
そして首を振りイメージを振り払う。
いやいや、そんなのは昔話だ。
といいつつも、やっぱりちょっと気になっている僕。

そこへエリックが僕に話しかけてくる。
嗚呼エリックよ。僕は今、魚の頭のことで忙しいんだ。
話しかけるのをあとしてくれないか。。
と思ったその瞬間だった。

エリック)タイ。お前頭なんてどうせ食べないだろ?
食べるところほとんどないし。
じゃ、俺食うぞ。
パクッ。。

あっ。。。
僕の魚の頭は一瞬でエリックの胃袋に消えた。
というか、一体僕は何を期待していたのだろうか。
むしゃむしゃちゅぱっ、と魚の頭を食べたエリック。
さっき料理を運んでくれたお姉さんとエリックをキョロキョロ見返す僕。
全くの無関心なお姉さん。

そりゃそうだよ。
安心と、ちょっとばっかりのがっかりとあたたかな夕日が僕を包み込む。
その数分後にはあたりは真っ暗になり、肌寒さが僕に目を覚ませと言っているようだ。

エリックの追加情報によると、
その昔、日本でいう水俣病のような水質汚染による魚食を介した健康被害がカメルーンにあったらしい。
その頃から魚の頭を食べると頭がおかしくなる(健康被害にあう)
=恋に落ちると頭がおかしくなったようになる
=魚の頭を食べた人は恋に落ち、その人と結婚する
=お嫁にもらう。
こんな流れらしい。

「魚の頭を食べたら、嫁にもらう」のカメルーン伝説は、歴史と風評と色恋がまじったちょっぴりロマンチックな話であった。

エリック)いい夜だったなー、んじゃ帰ろうか。
さっぱりとした物言いのエリックのバイクの後ろに乗り込みホテルへと帰る僕。

日本に来た外国人が、サムライを探しているのと同じようなワクワクとがっかりなんだろうな、きっとこれは。
と、我ながらに振り返り、
なーんだか内容がないけど楽しい1日だったなぁーと
波音を聞きながら横になり魚の頭とお嫁さんに思いをはせる。
何にもない2日目に目を閉じる。

Best,
Tai

✎2022年5月より✎
皆さんの「知らない世界🌎」を少しでも身近に感じてもらうきっかけになったら幸いです。

みんなで応援し合える場所づくりとして「🏝Naluプロジェクト🏝」サークルを立ち上げました!また、国際看護師をサポートするSNSコミュニティ「🌏NurseTerminal✈🌎」(通称ナスタミ✈)も仲間と一緒に立ち上げています。https://instagram.com/nurseterminal

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