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『物語』の感想

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ジャンルは問わず、触れた「物語」の感想を綴っています。 読んで作品に触れるきっかけになったのならこんなにうれしいことはありません。
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継続とお休み

継続とお休み

毎日何かを続けることは難しい。

なぜなら人には元気が出ない日や体調の波などがあり、起きていることすらつらいなどという日だってあるからだ。

なので継続に一番大切な要素は間違いなく身体的な健康なのだろうなぁと思う。

では仮にあなたが何かを毎日継続していたとする。

朝のランニングかストレッチか、英語か資格の勉強か、読書や通勤時の動画インプットか、それは何でも構わないが、それができないというほど気

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素晴らしき哉、人生

素晴らしき哉、人生

amazon primeで『素晴らしき哉、人生』という1947年の古い映画を観た。

1945年のクリスマスイブ[3]。ジョージ・ベイリー(ジェームズ・ステュアート)という男がニューヨーク州のベッドフォードフォールズという町で自殺を図ろうとしていた。周囲の人間の祈りが天国まで届き、翼をまだ持っていない二級天使のクラレンス(ヘンリー・トラヴァース)が翼を得るために彼を助ける使命を引き受けた。その準備

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だってしょうがないじゃない

だってしょうがないじゃない

坪田義史監督作品『だってしょうがないじゃない』の上映会に漫画家の、つのだ ふむ(@tsunoda_fumm)さんが製作に関わっていた関係のご縁から上映会にお声がけいただき、参加してきました。

映画のあらすじは、映画のサイトに監督の手書きのような温度感のある文章で綴られていたので、そのサイトをスクショしたものを貼ってみた。

※映画のサイトに更に詳しく載っているので、ぜひ見てみてもらいたい。
ht

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心の拠り所

心の拠り所

好きそうなのに、観てないの?
と会った人に立て続けに言われたため、映画「ジョーカー」を観てきた。

この映画はアメリカンコミックのバッドマンの悪役ジョーカーがどのようにして誕生したのかを描いた映画で、主演ホアキン・フェニックスのアーサーという市民が、ジョーカーに変わっていく狂気の演技が話題となっていた。

観てみての感想は、もちろんホアキン・フェニックスの演技がすごいということは間違いなかった。

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己のためと、誰かのため

己のためと、誰かのため

僕はワンピースという漫画を47巻で買うのをやめた。
しかし今ワンピースは最新まで揃っている。

ワンピース展という展覧会が昔六本木で開催された。
ワンピース好きな友人が僕に声をかけてきたが、僕が47巻までしか読んでいないというと、展覧会は61巻までの内容だから行くまでに読めと、本をくれた。

それから毎年誕生日に一年間に出たワンピースをプレゼントしてくれるため、買ってもいないのに揃っている現象が起

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この世界の片隅に

この世界の片隅に

先日『この世界の片隅に』という映画が地上波のテレビで放映されていた。
このときは観なかったが、以前この映画は観たことがあった。

以前観たのは終戦記念日の日に観たので、観てからおよそ1年が経っていて、けれども覚えていることがあるか振り返ってみると一つ強く印象に残ったシーンがあった。

あらすじは、昭和19年(1944年)に広島市江波から呉に18歳で嫁いだ主人公すずが、戦時下の困難の中にあっても工夫

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公共とは?

公共とは?

先日、『ニューヨーク公共図書館』という映画を観てきました。

https://www.iwanami-hall.com/

こちらの図書館の運営資金は、民間の寄付と市の予算で成り立っていて、来年入ってくる資金が今年の運営次第で、どうなっているかわからない状態なので、市と市民のニーズを、社会情勢を読み取って図書館としてどう在るべきかを、常に考え続ける必要性があるが故に、ほんとうに今必要なことを議論や

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ニュー シネマ パラダイス

ニュー シネマ パラダイス

22歳くらいのときに初めて観た「ニューシネマパラダイス」という映画を観なおした。

中年を迎えた映画監督が、映画に魅せられた少年時代の出来事と青年時代の恋愛を回想する物語。感傷と郷愁、映画への愛情が描かれた作品である。

僕が一番驚いたのは田舎の村で村唯一の娯楽だとは言え、赤子を連れたお母さん、はしゃぐ子ども、眠る人、二階席から必ずツバを吐く人、作品のセリフを先に言ってしまう人、などがおり、かつ皆

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未来と今とターミネーター

未来と今とターミネーター

それはあなたが何度試しても変わらないよ。
だって一番の原因は、あなたなのだから。

「ターミネーター」という作品はご存知だと思う。
アーノルド・シュワルツェネッガーの出世作にして、続編である二作目が最高傑作と言われるめずらしいタイプの映画で、自我をもった人工知能スカイネットが、核を作動させ、人類との戦争に挑む。
その人類のリーダー、ジョン・コナーとその母の抹殺に送り込まれるターミネーターとそれを阻

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夜とコンクリート

夜とコンクリート

今日は純粋に昨日読んでよかった漫画を紹介したい。
町田洋さんという方の短編集という形の『夜とコンクリート』という漫画だ。

描き方は水墨画のようなモノトーンな印象で、少ない線で立体感を感じるように描かれていて、絵で説明し過ぎないミニマムな印象。

僕がよいと思ったのは、日常の中で誰もが見過ごしてしまう、あるいは気付かない小さな感情の動きや反応、変化を物語の展開の中で、自然に絵にしていることだ。

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赤ずきん

赤ずきん

昨日更新のnoteで童話を出したので、今日もそのノリで童話について書きたい。

ほんとうに実がなくて申し訳ないのだけど、赤ずきんって他の童話と違って色気のある童話だと思っていて、それは僕には赤ずきんと狼の会話は男女の駆け引きにしか見えなくて、狼は大学生の男子、赤ずきんは経験豊富な女子高生というような力関係に感じて物語を読んでしまう。

狼は終始主導権を握っていると思い、赤ずきんの質問に答えながら、

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バック・トゥ・ザ・フューチャー

バック・トゥ・ザ・フューチャー

久しぶりに観た。

エンターテイメントのお手本のような作品で、友情、恋愛、家族、人が生きていく中で大切にしている要素が各所に散りばめられていて、多くの人が、様々な立場の人が、登場人物に共感するし、そもそも若かりし頃は経験も少なく、ああしておけばよかったと悔やむことも多い。
それを変えられるかもよ?
という設定が人々の共感を生まないわけがない。

久しぶりに観て一番感想が変わったのは、過去を変えたこ

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忘れられない台詞

忘れられない台詞

秋田文庫版 14巻「ブラックジャック」の、『満月病』という話しの中に僕が昔読んで好きだった台詞がある。

きみを助けたのは、きみが美しいからだ。

受け取る側の見方や関係性で如何様にも意味が変わるこの台詞。

ブラックジャックというキャラクターが美しいから助けた、と言えばそれなりに納得感が出るが、いや、やはり字面通りではないのでは?
と気にさせる言い回しで、かつスマートなのがさすがだ。

【この先

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翔んで埼玉

翔んで埼玉

「翔んで埼玉」という映画を観てきました。

まだ公開して数日なので、詳しい内容は書きませんが、感想としては、想像力の力、偉大さを感じました。
今ある社会って実はこうやってできたんじゃない?
で、なんかヒエラルキーやひずみがあるのは、きっとこういう理由で〜、というたった一人の妄想だとも言える物語で、楽しく生きる方法は、現在をどう見るか、だと教えてくれているようにも思います。

そして作中では、人が持

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