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「愛がない」と伝える『愛』

日々日常を営んでいると話しにくい、話せないと思うことや、感情に出合うことは、ままある。

多くの場合は伝えないし、呑み込むし、なんなら当事者本人がいないところで話す、ということもあるだろう。

それくらい、「ほんとうのことを伝える」ということは難しいのだ。

なぜ難しいのか?

「ほんとうのことを伝える」と人は不機嫌になったり、怒り出したり、嫌ったりするからだ。

なぜか?

人が怒り、憤るのは、大切にされていないと感じるとき、ほんとうのことな時(事実)、わからない時の3つが多いように思う。

「ほんとうのことを伝える」となったとき、この3つ全てに該当したり、3つにそれぞれ重なる可能性があって、伝える側は大きなリスクを負っている。

だから伝えないのだ。

どちらが悪いというわけではない。
「ほんとうのことを伝える」ということには、お互いに覚悟と責任と、何より伝えるその人への「愛」がいる。

何でこんな話をしているかと言うと、昨日根津にあるカレー屋さん「ラッキー」で、漫画家の「つのだふむ」さん主催の『ふむ会』という会社で言うと四半期説明会のような会に、ご縁あって参加した。

会の内容は、今までの活動とこれからの展望、そしてゲストとして参加されていた『N's あおい』などの漫画で有名な漫画家の「こしのりょう」さんとの対談が繰り広げられた。

そこでこしのさんは、後輩漫画家であるふむさんに対して、この絵には、この表情には、このキャラには、愛がない、愛が足りないと伝える場面があった。

愛がないと伝えることは、ここは本気で描いてるけど、ここはうわべだけでは?手を抜いてない?本当にそう思っているの?そもそも描きたかったの?という意味になってしまう可能性がある。
本当は伝えにくいはずだ。

でも伝えるのは、なぜか?

それは純粋に、もっといい作品を生み出して欲しいから、もっとすげぇ作家になって欲しいから、という「愛」でしかないのだと思った。

描くもののどこかに、「愛がない」と伝えることが「愛」になるのだと教わった本当に心あたたまる会で、二人の作家さんの漫画を、そしてお互いを愛する力が愛される力も強めるし、愛される力が愛する力も強めるのだと感じた。

物語やキャラクターや感情を考える会になるかと思いきや、「愛」について考える会になったことが、驚きで新鮮だった。

また親子で参加されている方もいて、その子の鋭い視点も驚いたし、参加されている皆さんの意見やあたたかさもまた会を盛り上げたように思う。
目に見えないいろんな循環が起きていた素晴らしい会で、またぜひ参加したいと思えた。

根津のカレー「ラッキー」https://tabelog.com/tokyo/A1311/A131106/13172216/
店主の方も愛が強く、あたたかい方。
通常営業の時も行きたいと思えた、オススメ。

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