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沖縄ではなく、三重県で「神社×地域×デザイン」を軸とするデザイン制作会社を作るに至ったわけ

「地域」を身を以て感じた

東京から沖縄へ移住して早6年。
沖縄移住したての頃はそれこそ知り合いもほとんどいなく当時勤めていた会社のメンバーに様々な沖縄のコトを教えてもらい、沖縄の知見を増やしていった。

主に、地方自治体や観光協会をお客さんとし、観光振興や地域活性化を中心とした企画提案をしていたものだ。

沖縄県の市町村はほぼほぼ回った。
そういうことをしていると、各地域の魅力や各地域の課題などがとてもよく見えてくる。

また沖縄でとてもありがたかったのは人の優しさだ。
まずテレアポをすればほぼほぼ会ってくれる。

現地に出向いたらビジネスライクじゃない話でも盛り上がる。

役場の近くの美味しいご飯屋さん教えてください。と言えば、とても自慢げに教えてくれる役場の担当者さんの笑顔は、本当にこの地域のことが好きだということを感じ取れて、とても気持ちのいい営業活動ができた。


6年も沖縄で「観光」関係の仕事をしていると見えてくるものがある。
ユーザーが求めるものから、ユーザーのニーズの変化も身を以て感じる。

それによる成功事例もあれな様々な失敗事例も見えてくる。

沖縄は「綺麗な海」「美ら海水族館」「首里城」が主なランドマークとなって、観光客は自然にも入ってくる。

ランドマークが弱い他県と違うのはそこだろう。


だからといって、沖縄の事例が他県で活きない。だって環境も違うから。とは言い切れないところがある。

どんなユーザーに対し、何をランドマークに提案して、どのような導線(ルート)を提案し、その中でどんな体験をして、何を持ち帰っていただくかのデザインをするところは変わらない。



「デザイン」を身を以て感じた

沖縄の観光系の案件が安定的にいただけるようになってきた頃、僕はとても憤りを感じていた。

とても魅力的なデザインは全国の事例を見れば一目瞭然。
純粋にこんなデザインを沖縄でも生み出したいな。そう思っていた。

しかし、その時の自分ではそれを叶えることができない。
そもそもデザインにそこまで重視をすることが効果につながるかというのを周囲のメンバーにつたえることができなかった僕の未熟さだろう。


いつからか僕は制作にまで足を踏み入れていた。
「Wordpress」で自分でサイトを作ってみて、Adobeのソフトを購入し、デザインした。

デザインソフトが使えるようになると企画提案書の質もかなりあがる。
だって、自分でデザインラフを時間の許す限り作り込めるから。

必然的にコンペの取れる確率もあがってくる。


そのようにいろんな案件をいろんなクリエイターさんたちと進めていて感じたこと。

とても質の高いデザインを作るクリエイターさんが県内ではすぐに引っ張りだこになるということ。

どの会社もデザイナーAさんをアサインしたがる。
特に自分たちのコミュニティ内であればなおさらだ。

コミュニティ内にも僕のようなディレクターやプランナーはいる。

アサインするメンバーも一緒になってくる。

良いものが作れればそれでいいが、単純に面白くない。

ちょっと大げさだが、県内どこもかしこもデザイナーAさんのデザインになる。それが地域というものならそうなのかもしれないが、面白くない。

今、沖縄ではデザイナーAさんの時代がきてますね〜。

それも良いだろう。

ただ、マーケットはもっともっと多様であったっていいじゃないか。

だから僕は沖縄県外で制作メンバーを集めた。

「神社」を県外から感じた

僕は月に一度、1週間ほど東京や他県へ行く。

東京へ行けばずっと打ち合わせや仕事をしているが、一日だけ、帰る日の飛行機の搭乗時間までは自由時間を取らせてもらっている。

最近は神社を巡ることがブームだ。

神社は最強だ。

今まで行ったことない名も知らない駅をおり、徒歩で15分ほど歩いた神社には魅力的な風景があり、そしてここでしか手に入らないおしゃれなデザインのお守りをいただくことができ、そしてそんな神社の帰り道をうきうきしながら歩いていると、

そこには商店街があり、名も知らない和菓子屋さんやお惣菜屋さんが並ぶ。そこで食べる大福や、コロッケが美味しい。

雰囲気のある純喫茶で休憩し、コーヒーを飲めばそれもまた美味しい。


とても気持ちのいいお散歩をすることができる。

そしてそれら全てを写真におさめ、家に戻ってから、その時のことを思い出しては嬉しくなりブログに書き記す。


それがまた楽しい。

別にこの名も知らない駅には「綺麗な海」も「美ら海水族館」も「首里城」もない。知るひとぞ知る「神社」をランドマークとし、街を楽しむ。

それがその地域ではできる。


日本での観光のルーツが「お伊勢参り」とも言われている。

全国から伊勢神宮に参拝するひとが集まり、その道中の地域を味わう。
それが観光のルーツともされている。

「神社×観光」はとてもしっくりくる。

だから僕は神社に重きをおいた事業をひとつ立ち上げることにした。

こう書いて、「おっ!自分も神社事業」やろうかな?って想う人がいたらやったら良いと思う。

うちの強みはデザインであり、地域や観光でもある。

そちらの強みはもっと別のところにもあるだろう。盛り上げてくれる人はたくさんいたほうがいい。


僕らが発信する「神社×観光×デザイン」

最近、三重に拠点作るとSNSで言っているので、会う人に聞かれることも多い。

なぜ三重か?

・使ってない祖父母の日本家屋が三重県津市にあるから
・三重県津市から中部国際空港(セントレア)まで高速船で40分だから沖縄とのアクセスも良い
・他県へ車でいけるから、その県だけに留まらずいろんな人といろんな仕事や暮らし方ができるから
・やっぱり「和」が好きだから


沖縄のことは好きだ。嫁も沖縄の人だ。
だからとはいえ沖縄から離れるというわけではない。

でも、沖縄の良さ、沖縄の課題などを持ってもっと様々な地域の課題解決に、取り組みたいと考えている。


これが沖縄ではなく、三重を拠点に会社を作ることに至ってわけです。


東京出身。7年間の沖縄移住を経て三重県津市へ。沖縄移住応援WEBマガジン『おきなわマグネット』元編集長。神社メディア『sanpai. 』運営。Webデザイン、マーケティング、他制作ディレクションなどを生業としています。年間200社ペースで全国の神社を参拝しております。