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日本教育工学会のオンライン春季大会に参加しました

2/29〜3/1にかけて信州大学で開催される予定だった日本教育工学会の春季大会が、今回の件でオンラインで実施されることになりました。学会としては初の取組みということでしたが、無事初日が終わりました。結論からいえば、9:00〜17:30(懇親会を入れると19:00ごろまで)まで、特段問題もなく学会が機能していました。ひとえに運営の方の準備と、参加者の適応力によるものだと感じました。

概要

・ツールとしてはZoomを利用していました
・学会をほぼそのままオンライン化していたため、10ほどの分科会として、Zoomの部屋がパラレルで走っていました
・各部屋20〜40人ほどの参加者がおり、各発表ごとにかなり活発にセッション間の移動がおきていました
・発表を辞退された方も半数近くいたため、その時間は発表なしの休憩時間となっていました

学会のオンライン化はほぼ完璧に機能していた

ぼくは今回3回目の学会参加ですが、感想として「これはもう学会はオンラインでいけるな」と感じました。実際懇親会では、

「春季大会は今後はオンラインでもいいのではないか」
「オンラインの学会かなりいけそう」

といった声もでていました。少なくとも参加者としては、それくらい普通に機能していたというのが実感値です。

一方で、発表者の方からは、

「相手の反応が見えにくくやりにくかった」
「拍手がないのがちょっとさみしい」

など、リアルタイムなインタラクティブ性の弱さからくる不安が指摘されていました。また一部セッションでは、音質が悪くなってしまい質疑応答が聞こえなくなってしまったり、画面共有がうまくいかない等、小さなトラブルはあったようです。とはいえさすが、日本教育工学会という感じで、皆さんオンラインでの発表にも慣れていて、問題なく進行している印象です。

運営の仕組みと参加者の絶え間ないアップデート

概観としては前述の通りですが、2つ感動したことがあったのでシェアします。

1つ目に、運営の仕組みづくりが本当に素晴らしかった。
今回1〜2週間ほど前に中止が決まり、オンラインでの実施に踏み切ったわけですが、その短い準備期間で素晴らしい仕組みが作られていました。

各セッションには運営の方が必ず参加しており、基本進行は座長が勤めるものの、トラブル時には確実に運営の学生?が対応されていました。また事前のインストラクションも丁寧で、「Zoomの使い方がわからない」という質問はほとんどなかった印象です。

また最高だったのが、会議室のURL一覧が公開されていたこと。
今回10の分科会が開かれていたわけですが、オフラインの学会だと、1つ参加したらなかなか途中退室が難しい一方、今回は発表ごとにどんどんセッションを移動することが機能的には可能です。これをサポートしたのが会議室のURL一覧で、ZoomがURLさえあれば簡単に部屋に入れるのを活かしたすばらしい仕組みでした。この機能のおかげで簡単に発表間同士を行き来できたのは発明だと思います。今後パラレルでZoomを使うときにはぜひ参考にしたい取組みです。

2つ目に、参加者の絶え間ないアップデートが行われていました。
正直最初のセッションでは、Zoomの使い方がよくわからない人や、そもそもの進行がよくわかっていない方、発表間の休憩の際に来てしまって混乱している方など、様々な方がいました。しかし徐々に運営の知見が貯まり、

・発表が行われていないときには注意事項を記載したPowerPointを映す
・iPhoneのタイマーを座長は随時表示して発表時間を知らせる
・発表終了後には「88888」やエモートを使って拍手を送る
・背景を映したくない人はバーチャルバックグラウンドを利用する

などなど、さまざまなちょっとした工夫がTwitterなどを介して広まっていました。みんな初めてのオンライン学会だからこそ、全体として実践知が溜まっていく様子を間近で見ることができたのは、それ自体とても貴重な体験だったと思います。

まとめ

改めて感想として、今回学会のオンライン化という選択をし、さらにそれを参加者全員でアップデートしながら創っていくという体験は、それ自体が非常に知の探求的な側面があったように思います。

各種SNSやメーリングリストを見ていると、もはや様々なイベントやセミナー、学会の「開催中止」「延期」の文字に見慣れてきてしまっていますが、一つの可能性を示せた学会なのではないかと思います。

今回は教育工学という、ある種特殊な環境での実践でしたが、今後これを契機に広がっていってほしい活動でした。

まだ明日1日残っているので、明日も楽しみに参加しようと思います。
明日もよろしくおねがいします!


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