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備忘録:運動技能の教え方

こんにちは、ひつじはねたです。
備忘録を残しておきます。

今年の1月から、向後先生の教える技術講座に参加しているのは、前回書いた通りですが、第二回の講義内容が「運動技能の教え方」についてでした。

「教える技術」には、大きく「運動・認知・態度」の3種類があります。運動はその名の通り、身体を動かすようなスキルのこと。認知は、知識を覚えたり問題解決をしたりする、いわゆる頭を使う活動のこと。そして態度は、その人の態度や組織の文化などを指します。

運動技能の教え方のポイントは次の3つです。

教え方のゴールデンルール
1. スモールステップ
2. 即時フィードバック
3. CHallenge/Skillバランス

1. スモールステップ

運動技能では、まずは簡単なことから、徐々に難易度を上げていきます。

例えば自転車に乗れるようになるために、まずは補助輪をつけて自転車に乗った状態で歩いてみるとか。地面を蹴って進んでみるとか。そういう簡単なところから、徐々に背中を押して進んでみたり、最後は自分の力だけで前に進めるようにと練習していきます。

逆上がりで最初は台を使って蹴る練習から始めるのも同じですね。ぼくは結局できるようになりませんでしたが。

また難易度の上げ方にはポイントがあります。スモールステップの原則に従えば、最初は本当に簡単なところから始めるわけですが、その点ができるようになって次のステップに進むと、当然難しくなる分成功率が下がります。ここで「できない!」となるのではなく、同時に評価基準を一時的に緩めてあげる必要があります。

このスモールステップの原則。内容だけ聞くと当たり前ですが、実際やろうと思うとそうはいきません。それは運動技能は、一度できるようになると、できなかったころのことを思い出しにくいものだからです。

実際にぼくは部活動で和太鼓を後輩に指導するタイミングがありますが、確かに打てなかった時期があったのだけど、今となっては打てないときに何をブレークスルーにできるようになったのかが思い出せない、なんてことがよくあります。要するにスモールステップに分解できないんです。

人によっては、自分なりの分解がうまく機能するときもありますが、これもまた完全に相手次第です。相手にあわせて、どうスモールステップを分解していくか、が非常に重要です。

2. 即時フィードバック

2つ目のポイントは即時フィードバック。これは行動に対して、文字通り即フィードバックをすることです。即、とは具体的に1分以内に、と言われています。

上のスモールステップで分解した行動を繰り返すたびに、即時フィードバックを入れていくことで、成功の行動を強化したり、失敗の行動から調整を行うことができるようになります。

特に運動技能においては、ある程度暗黙知的な部分があったりもしますし、苦手な人ほど成功と失敗の区別がつきにくいものです。そこをしっかりと指導側がフィードバックをしていくことで、感覚を習得していきます。

3. CHallenge/Skillバランス

これは有名なフロー理論にあたります。人間はスキルとチャレンジの2軸で行動をとったとき、簡単すぎる(低チャレンジ、高スキル)と退屈するし、難しすぎる(高チャレンジ、低スキル)と不安になります。この間にある状態で、フロー状態に入り、集中度が増す、という法則です。

面白いのは、フロー状態にずっといても成長がない、ということでしょう。同じことをひたすら続けていても意味がないので、フロー状態に入って少ししたところで、チャレンジ度を上げます。するとチャレンジが高く、スキルが足りない状態に一時的に入ります。この不安を解消することで、改めてフロー状態に入り、スキルもしっかりと伸ばすことができます。

向後先生の授業で印象的な発言として、「受講生が夢中になっていなかったら、その時点でインストラクションに問題がある」というものがありました。これはまさにフロー状態に入っていない時点で(大きく逸脱している時点で)、問題がある、ということです。

最後にまとめると、運動技能を教えるときには、スモールステップでまずスキルを分割し、簡単な操作から即時フィードバックを繰り返しながら、徐々に難しいものに移行していきます。そしてこの際には、Challenge/Skillバランスを見ながら、しっかりフロー状態に入っているかを確認することが重要です。

仕事をしているうえでは、ぼくの場合はあまり運動技能を教える機会はないものの、部活ではしっかり考える必要があるなあと感じたので、改めて備忘録を記載しておきました。参考になれば幸いです。

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