ジャケットの袖口デザイン「本切羽(ほんせっぱ)・本開き(ほんあき)仕様」はオーダーならではなくなっている!?
オーダースーツの販売をしていて、感じたことをお話させていただきます!
薄れて来ている!?袖口本開き仕様への意識についてのお話です。
結論
袖口本開き仕様はオーダーならではありません。
良い仕立ての見分けにはなりません。
これからますます減少傾向でしょう!
そもそも、ジャケットの袖口デザイン「本切羽(ほんせっぱ)・本開き(ほんあき)仕様」とは!?そんなに有名になったの?
本切羽(ほんせっぱ)
本開き(ほんびらき、ほんあき)
こちらの画像、ジャケットの袖口です。このように実際にボタンホールに穴が空いていて開閉できるようになっているのが「本切羽(ほんせっぱ)・本開き(ほんあき)仕様」
開きみせ(あきみせ)
飾り切羽(かざりせっぱ)
こちらの画像、見た目は同じデザインですが、ボタンホールの穴は空いていませんので開閉できません。
開いているようにみせる為、開きみせ(あきみせ)や飾り切羽などと呼ばれています。
そもそも、開ける時ある???
この袖口のボタンを開けなきゃいけない時はありません!
しいていうならば「これ本開き仕様だぜ!!」とアピールするために1つ、2つ開けたりする人がいるくらいです。
つまり自己満足の世界ですね!(自己満足はオーダーの醍醐味でもあります)
じゃあなんでこんなところにボタンがついてるの???
デザインの由来は確かなものではないですが、諸説ある中で一番有名なのは「ナポレオンが兵隊に鼻水を拭わないようにつけた」というエピソードが有名です。このエピソードが本当かどうかわかりませんが軍服や貴族の服装の名残であることは間違い無いでしょう!!
現代的な袖口ボタンホールの事情
本切羽と飾り切羽の決定的な違いは袖丈の調整ができる・できないの違いです。
ボタンホールを開けてしまうと袖先での長さ調整ができなくなってしまうんです。
「袖山から袖丈を詰める」という技もあるのですが修理代が倍ほど違います!
修理代事例
袖先から袖つめ¥3,000+税
袖山から袖つめ¥6,000+税
※チェック柄だと柄がズレてしまうという落とし穴も。
※袖山から詰めると袖が細くなるので着心地が変わります。
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