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"連続起業家"を卒業しテイラーにAll inします

こんにちは、テイラー代表の柴田陽です。
今回は、テイラーという今回のスタートアップに賭ける自身の想いを、記事にしたいと思います。

この記事で書くこと

  • なぜこれまで何度も起業したのか

  • なぜテイラーが最後の起業なのか

  • その結果、何が変わるのか

なぜ何度も起業するのか(起業の動機)

私はこれまで、共同創業も合わせて7回起業してきました(2005, 2010, 2010, 2011, 2016, 2016, 2021)。

なぜ何度も起業するのか、ということを良く聞かれるのですが、これには大きく3つの答えがあります。

  1. 起業の目的がサービスの立ち上げなので、1サービスにつき1会社になりがちなので、社数が増えがち

  2. まだ世の中にないサービスを立ち上げて、その存在価値を世の中に証明したい、というのが起業動機になってるから

  3. それらの会社を上場させ(られ)てないから

これとは別に、2010年代以降、様々なプラットフォームの登場によりサービスを立ち上げることのコストが下がり、起業1回あたりのサイクルが短縮されたという環境要因もあるかもしれません。

連続起業家という類型が日本で喧伝されはじめたのは2013年頃から

例えば、日経テレコンで調べたところによると、シリアル・アントレプレナー(連続起業家)という言葉が新聞に登場するのは、1999年が最初です。このときの「シリアル・アントレプレナー」は、シリコンバレーの文化風土を紹介する単語として使われています。その後15年ほどの間、連続起業家という単語はシリコンバレーを取り上げる記事にのみしか登場しません(日経で全8記事)。当時は、日本では縁遠い概念とされていたと考えられます。(もちろん、渋沢栄一を引くまでもなく昔から日本にも多産型の実業家は存在していました)

日本にも連続起業家が登場しつつある、という記事が増えるのは2013年頃からです。エニッシュの杉山さんやソフマップの鈴木社長が上場請負人として取り上げられたり、フリークアウトの本田社長やメルカリ(その頃はコウゾウ)の山田進太郎社長が「連続起業家」という新しい(シリコンバレー型の)起業家タイプとして脚光を浴び始めたのが、2013年初頭のようです。

タイミング良く、私も3社目であるスポットライト(サービス名「スマポ」)の創業者としてPRを頑張っていた頃だったので、恐れ多くも山田社長とかと並べて記事にして頂いていました。

2013/02/11 日本経済新聞 朝刊

そういう意味では、ラッキーなタイミングでラッキーな位置に居ることができたと思っています。

これで起業は打ち止め。なぜ?

スマポを楽天に売却したタイミングで、当時CNETにいらっしゃった岩本記者に、「あと30年は起業家で居たい」というお話をさせていただきました。

CNET岩本さん(当時)に書いていただいた2013年の記事

宣言通りにいけば、2043年まで(あと21年間!)起業家でありつづける必要があります。この気持ちは変わっていませんが、おそらく今回のテイラーが会社としては最後になると考えています。

それは、テイラーが構想する「誰もがデプロイできる社会を創る」というミッションが、残りの起業家人生を捧げるに値する非常に大きなテーマだと考えるからです。

著名VCの格言に Software is Eating the World とあるように、デジタル化する世界において、プロダクトを社会に実装することは、人々の仕事や生活をより良くすることに直結しています。 わたしたちは、あらゆるビジネスツールを生成できる基盤「Headless ERP Generator」を提供することで、企業活動を支える誰もが、かんたんにプロダクトの作り手になることを支援します。同時に、貴重な技術リソースが、車輪の再発明ではなく、新たな問題の解決に振り向けられる世の中を目指しています。

このミッションは、非エンジニアなプロダクトマネージャーとして、いくつかのサービスをつくってきた自分自身の悲願であり信念でもあります。

もちろん、事業的な目線としても、日本のSIerマーケット9兆円に対してGame Changerとなる一石を投じ、かつグローバル市場に挑戦できるという意味でも、10年、20年かけて攻略する価値のある領域だと考えています。

これ以上の「強くてニューゲーム」もなさそう

また、経験ある起業家が再び挑戦することを指して「強くてニューゲーム」などと揶揄され言われたりもしますが、改めて考えると

  • 個人的な思い入れと事業ミッションの重なり

  • 大きくマーケット

  • 過去に一緒に成功した共同創業者

  • Yコンビネーター

  • 起業タイミング("Great Companies Are Born in Difficult Times")

など、何回起業するにしてもこれ以上好条件が揃うことはないのではないか、という感覚もあります。

したがって、もし仮に打算的に計算したとしても、もうシリアルはおしまい。テイラーにオールイン!という気持ちでいっぱいです。

シリアル卒業で何が変わるのか?

シリアル・アントレプレナーを卒業宣言したことで、テイラーにとってどういう意味合いがあるのかというと、端的には10年、15年という長期スパンを考慮した会社の舵取りができるのではないかと考えています。

もちろんスタートアップであるからには、大企業のように悠長にかまえてはいられず短期的なトラクションの積み上げが必要なことは言うまでもありません。それでも、明日のことも10年後のことも同時に同じ重み付けで考えて判断できる、というのは、個人的には成長したなと感じるところです(笑)。最初の起業は目の前のことで精一杯で先々を見越すという余裕さえありませんでしたし、4−5回目であっても8:2くらいで短期をまず乗り越えるという感覚だった気がします。

短期と長期のバランスは、製品・事業のスケーラビリティだったり、組織カルチャーだったりという部分において、表出するのではないかと考えています。

一例ですが、これまでの起業では新卒採用をしようなどと考えたことは一度もありませんでしたが、テイラーでは近い将来、新卒採用が必要になるだろうなと想定しています。10年単位で腰を据えてかからないと成果が刈り取れない施策ですが、人が成長する場をつくるという側面で、個人的にもわくわくするテーマです。

『連続起業家だからまたすぐにExitするんでしょう・・・』という懸念で、テイラーに参画することをためらっている方の迷いが払拭できるといいなと思い、わたくしごとではありますがエントリーしてみました!

分かる人にしかわからないネタですみません・・・


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