髪を伸ばす理由とヘアドネーション

こんにちは。プロダクトデザイナーの三島です。

皆さんは、ヘアドネーションをご存知ですか?


ヘアドネーション(英: Hair Donation)とは、小児がんや先天性の脱毛症、不慮の事故などで頭髪を失った子どものために、寄付された髪の毛でウィッグを作り無償で提供する活動。(国籍・性別を問わず、どなたでも参加可)
参照:wikipedia

今回私は3年かけて伸ばした髪をヘアドネーションをしました。実は2回目のヘアドネーションで、前回とは別のところにも寄付をしました。

一般的には、ヘアドネーション=ウィッグ製作となっていますが、それ以外にも髪が必要なところがあります。今回は、ウィッグ以外のそのヘアドネーションについてのお話をしたいと思います。


目次
・俺が髪を伸ばした理由
・なぜヘアドネーションしたのか?
・ウィッグのためのヘアドネーション
・漆刷毛のためのヘアドネーション
・漆刷毛 ( うるしばけ )とは、何か?
・実際に切るところから寄付までの流れ


俺が髪を伸ばした理由

そもそもなぜ、男性の自分が髪を伸ばし、ヘアドネーションを行ったのかをお話したいと思います。

まず髪を伸ばしたきっかけは、長髪への興味でした。

生まれてからこの方、坊主かスポーツ刈りの髪型以外にしていませんでした。柔道部時代は五厘狩りに近い、丸刈り状態でした。なので最初は、単純に髪を伸ばすことに興味があったと思います。

髪が長いことで色々と人に覚えてもらいやすく、名刺にも使っているぐらいです。デザイナーという職種なので、長髪が受け入れられやすいというのもあったかもしれませんね。


なぜヘアドネーションしたのか?

1年ほど長髪を楽しんだあと、いつ髪を切るのか考えているときに、ロングヘアだった友人がウィッグのために髪の毛を寄付したのを知りました。

せっかくここまで伸ばしたので自分も何か貢献できそうだなと思い、そこからまた2年ほど伸ばして寄付することにしました。それがヘアドネーションを行ったきっかけかと思います。

男性の自分がヘアドネーションをすることで、もっと多くの人にヘアドネーションを知ってもらえるのではという考えもありました。


ウィッグのためのヘアドネーション

2016年に、初めてのヘアドネーションをしました。

その際は、ジャーダックを通じて、ウィッグのためのヘアドネーションを行いました。


ウィッグのためのヘアドネーションには、31㎝以上の長さの髪の毛が必要です。ただこれはショートヘアのウィッグを作る際に必要な長さで、ロングヘアのウィッグを作る為に必要な長い髪の毛は常に不足しています。

また31㎝以下の髪の毛(15㎝から)でも寄付はできます。ただこの髪の毛はウィッグにはならず、別の用途として使用されます。そして、このことが広まっているせいで31㎝以上の髪の寄付が減っているという話も聞きました。

なので、どんな髪の長さの寄付も嬉しいですが、できるだけ長い髪を寄付することができれば喜ぶ人がいるということです。

ウィッグのためのヘアドネーションについて、最近色々な方が記事に書いたり、ニュースになっているので、あえてここでは詳しく書きません。ジャーダックのウェブサイトに、わかりやすく書いてあるのでご参照下さい。



漆刷毛のためのヘアドネーション

さて今回、2019年6月に2度目のヘアドネーションをしました。それは、漆刷毛のためのヘアドネーションでした。これについて詳しく書いていきます。

以前noteにも書きましたが、自分は伝統工芸の商品開発を中心に、地場産業を活かすデザイン活動を現在行っています。伝統工芸の現状として、制作するための道具や原材料が危機的に不足していることも知っていました。

そのこともあり、何か貢献できないかと考えていたときに、職人さんから漆刷毛のためのヘアドネーションを教えてもらい、やってみようと考えました。


実際に寄付するまでの流れは、通常のウィッグのヘアドネーションとほぼ同じです。違いは、どこに寄付するのか、そして何になるのかです。

今回寄付させて頂いたのは、江戸伝統技法 漆刷毛師の泉清吉さまです。寄付した髪は、漆芸道具である漆刷毛になります。送付の方法や送付先の住所等はこちらに書いてあります。


漆刷毛 ( うるしばけ )とは、何か?

漆刷毛とは、漆を塗る際に使う刷毛です。伝統工芸を支える漆刷毛は、髪の毛で出来ており職人さんによって、手作業で製作されます。

この漆刷毛が人の髪の毛で作られていると、初めて聞いた時にはとても驚きました。粘り気のある漆には、腰がある髪の毛が向いているそうです。

材料としての毛髪は、日本女性の髪が最適であると言われており、1970年代まではすべて日本人の毛髪を使用してましたが、現在は中国からの輸入が主要になっています。

他の伝統工芸と同様に、漆芸も制作するための道具や素材の生産が危機的に不足しています。また現在、日本で漆刷毛を製作している職人さんは「広重」ブランドの泉清吉氏と、「田中」ブランドの田中信行氏の二人だけと言われています。

漆刷毛の髪の毛は、15㎝~30㎝の髪を使用します。なので、ウイッグ用のヘアドネーションで長さが足りなかったものを寄付することも可能です。


実際に切るところから寄付までの流れ

まず

束にしてヘアゴムで結んでいきます。

今回は最初だけ自分でカットさせて頂きました。

実際に手に持ってみるとこんな感じです。

その後、しっかりカットして頂き、こんな感じになりました。

最後に、髪を袋に入れて封筒で送付するだけです。


これだけで、簡単にヘアドネーションができちゃいます。

今回送った髪は、髪の脂分を抜くために、数か月後から数年かけて自然に枯らして、職人の手によって漆刷毛になります。

この漆刷毛は記念に自分で買うこともでき、職人さんが日本の国宝修理、世界遺産などの保存するときに使用するなど重要な役割を果たすそうです。

これからどうなっていくかも追って報告していきたいと思います。


今回、髪を切って頂いた美容師さんの榛葉さんです。榛葉さんは数年前からヘアドネーションの取り組みに協力しており、多くの人のヘアドネーションのカットしております。

この記事をきっかけに、少しでも多くの人にヘアードネーションという取り組みがあることを知ってもらえたら幸いです。

また漆刷毛ヘアドネーションを通して、日本の伝統工芸に少しでも協力できればと思っています。そして、多くの方に漆芸の魅力を知ってもらえたら嬉しいです。


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三島大世

プロダクトデザイナー / 英・伊留学 / 伝統工芸 / 地場産業 / 防災 現在は地場産業や工芸を活かすデザイン活動を中心に行っています。仕事のご相談は info@taiseimishima.com まで
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