【野球選手用、下半身パワーを効率よく上げる】第9回 2022/4/7

サロンメンバーの皆さん、おはようございます!
ベースボールハウスの林泰祐です!

皆さん、こちらの情報すでに拝見されましたか?
https://news.yahoo.co.jp/articles/db0475d12afceab062b66dfbdc8e07e8eeb6fcab

バッテリー感のサイン交換が、デジタルで行われるということです。
ここで、トレーナーとして注目したのが、浮くであろう「サイン交換の時間」です。

記事の中では、現役キャッチャーのマイク・ズニーノが「2〜3秒は時間が浮く」という風に言っておりました。投球動作は、人間が要するエネルギーシステムの「ATP-CP系(無酸素系)」に当たります。つまり瞬時に力を発揮して、瞬時に回復が求められます。

ATP-CP系を使用する動作では、30秒の回復で約70%エネルギーが回復し、3〜5分で100%まで回復します。(1RMのウェイトをやる時に、セット間の休憩時間は3〜5分取るのも、同じ理由です)

つまりピッチャーは十分な回復が見込めないまま、次の投球を行わなければならないのです。サイン交換を簡易化することで、少しでも長くピッチャーが回復時間を伸ばせるなら、またピッチャーの質が上がるかもしれませんね。今シーズンの先発投手のイニングが伸びる可能性もありそうです。

トレーナーとしては、リカバリーが伸びるという利点から、トレーニングの負荷やボリューム、期分けを見直しても面白いなと思っております。

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さて、今回の記事では、「効率よく下半身の筋力とパワーを上げていくトレーニングの理論」をお届けしていきます。

【下半身のトレーニングは何がベストなのか?】
結論は、目的によって使い分けることをおすすめします。
今回は、以下の文献を参考にしております。

参考文献①:https://ojs.ub.uni-konstanz.de/cpa/article/view/4498/4186
参考文献②:https://www.researchgate.net/publication/236176423_Effects_of_Foot_Position_During_Squatting_on_the_Quadriceps_Femoris_An_Electromyographic_Study

結論から言います。
下半身のウェイトトレーニングでオススメなのは

「スタッガードDL」です
(できればヘックスバーが理想、それ以外ならダンベル)


↓実際のエクササイズ動画はコチラ↓
https://www.youtube.com/watch?v=GH6yCWFvx-Y

画像1

なぜこのエクササイズが良いのか、上で紹介した文献を元に分解していきます。

【デッドリフトは超有能】
文献①の実験結果によると、デッドリフトは下半身エクササイズの中で、最もRate of Force Development(RFD)を高めてくれるという報告がされております。

Rate of Force Development(RFD)とは、強引に日本語に訳すと、
「力の立ち上がり率」と呼ばれます。

野球で力を発揮する時は、極端に短い時間で行いますよね。
RFDはいかに短い時間で、100%の力まで持っていけるかという能力になります。
(パソコン起動させて立ち上がりまで時間あるとイライラしますよね。それは、人間の体でいうとRFDの能力が低いということです)

話を戻すと、デッドリフトは他のどのエクササイズよりも、このRFDを向上させることに長けているというデータが取れたのが文献①です。

しかし、ここで注意したいのが、どのツールを使うか?
↓トラップバー↓

画像2

参照:https://www.strengthshop.eu/products/olympic-hex-trap-bar-black

↓オリンピックバー↓

画像3

参照:https://www.youtube.com/watch?v=9hJR9FCLTV0

個人的におすすめなのは、ヘックスバーです。
理由は、脊柱に掛かる負担がかなり軽減され、フォームも崩れにくくなるからです。


オリンピックバーでのデッドリフトはヘックスバーでのフォームが固まってからでも遅くはないと思います。
(ヘックスバーは特殊なツールなので、トレーニング環境にないことが多いと思います。その時はオリンピックバーでフォームに重きを置きながら取り組んでください)

まとめますと、デッドリフトは力を一瞬で立ち上げる力を養ってくれるため、下半身トレーニングでは必ず取り入れたい種目となります。
(もちろんスクワットも大事です!それについては、また記事にしますね)

【足を前後に少しだけズラすメリット】
いきなりですが、野球は回旋スポーツです。
回旋スポーツに大事なのはコアの回旋パワーと、回旋に対抗する力です。
回旋に対抗する力が低いと、回転動作での軸の安定がなくなり、腰の痛みに繋がってしまいます。

文献②の結論は、足を前後に少しズラすことで、体幹の回転に対抗する力が必要となるというものでした。
(文献のメインテーマではないですが、野球にとっては必要なので紹介)

また、足を前後に少しだけズラしてスクワットやデッドリフトの動作を行うと、下半身全体で床を踏み込む感覚が高くなると報告されています。
ここで言う下半身全体とは

・大腿四頭筋群
・臀筋群
・内転筋群
・ハムストリングス
の4つを指します。

つまり、4つの筋肉が協力して、重い負荷を持ち上げようとしているのです。
この感覚が養われると、効率よく地面を踏み込むことができるので、ピッチングやバッティングの前足のブレーキ能力が向上します。

まとめますと、足を前後に少しだけズラして下半身の筋力向上を狙うと、体幹の回旋動作に対する安定性もアップし、下半身全体で地面を踏み込む能力もアップします。

注意点が一つ。
オリンピックバーではなかなかポジションが取りづらいので、ヘックスバーない場合は両手にダンベル代用してください。

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さて今回の内容は、効率よく下半身のパワーを上げて野球に活かすエクササイズの解説でした。

文献上のデータが全てではないですが、色々なエビデンスを元にオススメのエクササイズを、今後も紹介していきますので、ぜひ皆さんの活動にご利用ください!

ベースボールハウス
林泰祐

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