1/28 田中一村美術館

奄美に寄ったならば必ず行きたい所、それは奄美空港近く、奄美パーク内にある田中一村美術館です。

千葉に生まれ、50を過ぎて奄美の地で独自の世界観を持つ画風を確立した一村。自分が初めて彼の絵に触れたのは、日々絵の事しか考えていなかった美大予備校時代でした。

広島のデパートでの展覧会で観た彼の絵は衝撃でした。画面から伝わる狂気みたいなものが、画学生もどきの自分のからだを突き抜けていきました。

その次に観たのが12年前の奄美の旅でした。そして今回、3度目。

平日の午前中ということもあり、美術館内は自分以外来館者は誰もおらず。しかしそれはとても贅沢な時間でした。大好きな尊敬する一村を広い空間で独占出来るなんて…

画面の隅々、ひとつひとつの線の繊細さ。ため息をつく暇を与えないような緊張感がずっと出口へいくまで続きます。いつもそう、彼の絵と遊ぶときは。

一村がもし、今のインターネットの時代に生きていたならどんな人生だったのだろう。人に見られないのにこれだけの作品を残してきたその精神力は本当にすごい。毎日が自分との戦いだったに違いない。作家にとって注目されないというのは”死”に等しいことです。

美術館では年に4回、収蔵作品を入れ替えているそうです。

焼酎のラベルに使われたり、本土復帰50周年の時は記念切手も出ました。間違いなく奄美の観光に一役買っています。

しかし…一村は本当は生きているうちに日の目を見たかったはず。絵がすべてを物語っています。俺を見てくれと。

それを感じるから、彼の絵との再会はいつも辛い気持ちになります。


空港行きのバスを待つ間、近くの海岸へ。写真では分かりにくいですが水平線の向こうに喜界島がよく見えました。



この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

2

うなぎ企画

映像と音楽の工房

ナックルボーク増刊号

コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。