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台湾で富士山? ツッコミどころ満載 港町基隆の旅

台湾で現地のニュースを見ていたら、山梨県富士吉田市下吉田の商店街から見た富士山とそっくりの場所があると紹介していました。


「こんなことがニュースになるなんて平和だな・・」
と少し見下すような気持ちで見ていたのですが、なぜか、いてもたってもいられなくなり、台湾の富士山を見に家を飛び出しました。
 
台北駅から基隆駅行きの高速バスに乗り約50分、終点で降りると目の前には港が広がっています。
どこまでも続く波打つブルーのカーペットを眺めながら、心地よい潮風を浴びていると、時間がたつのを忘れてしまいそうです。
 
しばらくぼーっとしていたら、あまりにも気持ちが良くて何をしに来たのかも忘れてしまうところでした。
台湾の富士山が見える場所へ急ぎましょう。
 

岸田呉服店

Google先生の指示とおり市街地を歩いていると、赤いレンガに白のラインがアクセントになった2階建てのオシャレな洋館に目に入ります。
今はタイ料理のレストランになっていますが、日本時代は「岸田呉服店」の建物でした。

旧・岸田呉服店の建物

毎日のようにテレビに出ている、とても有名な岸田さんの先祖がここで呉服店を開業していました。
では、岸田さんとは誰のことでしょうか?
 
岸田文雄首相のことです。
曽祖父である岸田幾太郎氏が、この呉服店と隣にあった喫茶店を経営していました。
 
岸田首相が自民党新総裁に決まったとき、この素通りしてしまいそうな建物が台湾地元のニュースで連日のように紹介され、突然有名なスポットになりました。
 
台湾現地のニュースで報道された例


ここを日本と台湾の交流の場にするとも聞いたこともありますが、今はタイ料理レストランになっています。
日本とまったく関係ないじゃん!
とおもわずツッコミを入れたくなります。
 
隣接していた喫茶店は修復工事が進んでいます。
ここが日本と交流する場所になるのでしょか? 

以前喫茶店だった建物

説明文には戦後から書店であったことが紹介されており、日本時代に喫茶店であったことには何も触れていません。
岸田首相との関係の説明が何もないじゃん!
とツッコミを入れたくなりましたが、内閣支持率の低下で今は触れてはいけない話題なのかもしれませんね(笑)。
 
旧岸田呉服店(現 泰舎泰式料理基隆店)
基隆市中正區信二路290-1號

台湾の富士山

岸田呉服店の左側の通り(義二路)は、日本時代には基隆銀座と呼ばれ、基隆で最もにぎわっていたところです。
当時の栄華を想像しながら少し歩くと、信三路との三叉路に出ます。
 
ここが、今回の目的である山梨県富士吉田市下吉田の富士山撮影スポットにそっくりな場所です。
 
期待で胸がドキドキしています。
では、振り返ってみましょう。
イチ、ニ、サン

「これが富士吉田の富士山? まったく似てないじゃん!」
と大きなツッコミを入れてしまいました。
「わざわざ高速バスに乗ってここまで来たのに、バス代返せ!」
と言っても誰も相手にしてくれません。
 
でも、せっかく来たので撮影してみました。
 
周りを見ると、多くの人が富士山の方に向けてシャッターを押しています。
「こんなもの撮影してどうするの? SNSに投稿するつもり?」
と、おもわず心の中でつぶやいてしまいましたが、私の手元を見るとカメラを持っています。そしてカメラの先には富士山が見えます。
私自身も撮影していましたね。
インスタグラムにも投稿してしまいました。

他人のことをケチつけておきながら、自分自身でも撮影して、さらにSNSにも投稿しているのか!
と、ツッコミを入れてください(笑)
 
Google mapを見ると、「基隆下吉田」との名前で観光名所と紹介されています。

 
今回の旅のテーマにあわせて、
「観光名所というほどの場所ではないだろう」
と、ここでもツッコミを入れておきます。

浴場の看板

さらにまっすぐ進み信四路との交差点近くに、お風呂屋さんの看板があります。

浴場の看板 2021年12月撮影


ビルの陰に隠れており、何度も往復してやっと見つけました。
日本時代からの浴場だそうですが、くわしい説明がないのでよくわかりません。
なぜ、こんなものを一生懸命探したのかというと、基隆市が発行している街歩きのパンフレットに「観光スポット」として紹介されているのです。
わざわざ紹介されているのだから、見てみたいと思いますよね。
 

基隆市発行のパンフレット表紙
旧浴場の看板が、観光スポットして紹介されています


浴場の看板を見つけた瞬間、
「この看板のどこが観光スポットなんだ?」
と思わずツッコミを入れてしまいました。

基隆塔

ここで富士山の見える方向へ戻りましょう。
古い建物が隙間なく並んでいる商店街に、わずかな空間があります。
ここに人だかりができています。
何があるのだろうと思って空間の方を見てみると、巨大なオレンジの塔がドーンと建っています。

基隆塔

「周りの光景とまったくがバランスがとれていない」
とツッコミを入れたくなります。
塔の入口にある両側の古いビルは、窓枠をオレンジにして調和させようと少し努力したようですね。
 
これは、昨(2023)年12月にオープンしたばかりの基隆塔(キールンタワー)で、エレベーターで高台まで行き、基隆の港町を上から眺めることができます。
説明を見ると、塔の高さも空中歩道の長さも書いてありません。
なぜ書いてないの?
軍事上の問題? 
建築会社が税金逃れのために公表できない? 
設計ミスしたから書けない? 
など、どうでもいいことを空想しツッコミを入れながらエレベーターに乗りました。
上から街を見下ろすと、気持ちがいいですね。

基隆塔の空中歩道
基隆名物 KEELUNGの看板も見えます


定休日の案内も、毎週月曜と書いてあったり、特定の日が書いてあったりとかなりアバウトです。
「定休日も決められないのか」
と、ここでもツッコミを入れたくなります。

この案内では、定休日は毎週月曜になっています
この案内では、1月の定休日は1/1と1/13のみになっています。


入場料は昨年までは無料と報道されていましたが、私が先月(2024年1月)に行ったときも無料でした。
 
 
基隆塔 
基隆市中正区義二路128號

 
今回紹介した義二路のわずか300mの距離は、このようにツッコミどころ満載で楽しく散策できます。
この付近は新しい観光スポットとして絶賛整備中なので、大きく生まれ変わるかもしれません。
 
ツッコミを入れながら散策を楽しみたい方は、今がチャンスですよ。
 

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