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【時事抄】 苦しい花粉症にもメリット

5月GWを迎え、例年どおり関東地方周辺では花粉の飛散がほぼ無くなりました。新緑に包まれた街並みを眺めながら、花粉症から解放された嬉しさと、暖かく乾いた空気の気持ちよさと、ともに感じています。梅雨が始まるまでのこの数週間が、1年の中で最も好きな時期のひとつですね。

https://ca-y-est.com/archives/1771

そんな毎年恒例の「苦行」ともいうべき花粉症ですが、発症者は「がん」に罹りにくいというメリットがあることが報じられていました。面白い記事だったので取り上げてみます。

日本経済新聞の記事を見てみましょう。

<要約>
5月に入り、ようやく花粉症が楽になったと感じる読者も多いだろう。とはいえ、花粉症は発症すると完治はまれだ。全体で約6割、早期なら9割が治ると言われる「がん」と大きく異なる。

しかし、年齢とともに花粉症の症状が楽になったと感じる読者も多いだろう。免疫機能の働きが活発な10代で花粉症の発症が多く、加齢とともに有病率や重症度は低下していくからだ。「免疫監視機能」の低下により、加齢とともに急増する「がん」と対照的だ。

花粉症は、花粉に対するアレルギー反応だ。花粉に対して作られるIgE抗体が、免疫細胞の一つである「肥満細胞」の表面に結合し、同じ花粉が再び体内に入ると、IgE抗体と「抗原抗体反応」を起こす。肥満細胞からヒスタミンなどの化学物質が放出され、花粉症の諸症状を引き起こす。

1966年に日本人の研究により発見されたIgE抗体は、腸内に侵入した寄生虫が体内で定着するのを防ぐ役割を担っている。昨今、寄生虫感染が激減し、役割を失ったIgE抗体が、花粉症を発症させていると考えられている。

だが、花粉症のようなアレルギー症状をもつ人は、実は、すい臓がんや大腸がん、食道がん、胃がん、などの発症リスクが低いとの調査結果が出ている。過剰な免疫反応によって毎年苦しめられている花粉症の発症者は、免疫監視機能の働きも強化されているからではないか、と考えられている。

(原文1035文字→583文字)


20代前半で花粉症に発症しましたが、その頃に比べて症状は軽くなった気がします。医薬品が進んだ効果もあるでしょうが、たとえば20代では眼科で処方してもらった目薬でも効きづらく、何度目薬をさしてもすぐに目が痒くなったものでした。それが今は市販のアレルギー用目薬を1回させば、すぐに効果が現れ、効き目も4〜5時間から半日はもつこともあります。

免疫機能の過剰反応が引き起こす花粉症が、加齢と共に衰える免疫機能を毎年のように鍛え続け、この長年の「免疫強化週間」の効果によって、免疫機能の衰えとともに発症しやすくなる「がん」を起こしにくくしている、ということです。苦しみに耐え続けている身には嬉しいニュースでした。

花粉症は若さのしるし?
でも症状が軽くなったということは年をとったという証拠なんだなと少しガッカリ。
人間の体というのは面白いものです。

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