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民間補導員の殺人疑惑。「俺は機械じゃない!人間だもん」と淳。.....第16話「15年目の疑惑」蘊蓄話【後半部】

PART1の718話中
ベストストーリーの50作品のうちの一作品。
真犯人と
若手捜査員の人間の弱さを浮き彫りにした。
マカロニ時代を代表する一作であります。
★長いので太陽蘊蓄話の中での
 ここから【後半部】とします。


✅マカロニが初めて直面した殺意無き殺人。
 被害者は同情の余地のない暴利を貪る金貸し。
 それでも逮捕しなければならない刑事という職業に、
    マカロニは自分では何とも出来ない、
    この宿命の非情さと憤りを覚える。


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★公園のブランコでシンコが悩むシーンまでが前半。
最初のコマーシャル開けの映像。
この後の、遊園地ジェットコースターからが後半部分。

伸子は中沢の事情を聞いて公園で悩んだ。
「私はどうすればいいの?」
「あの人たち全てが、未来が私に掛かっている
 大きくて、重くて」「私には分からない!」

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5-1「仲間の絆、夫婦の絆、家族の絆」
この三つの絆が
淳とシンコの心のなかで交錯。


■後編ストーリーダイジェスト

人間が人間を信じ、間違った過去を精算し
その人間の再起を期して、
新たな人生への再スタートが出来るように、

ボスをはじめ一係全員の裁判所への


「情状酌量及び減刑嘆願書」が最後の救いであり、
死んだ人間よりもこれからの人生を生き続けなければならない
家族への限りなく「暖かい愛のメッセージ」が
この回の太陽!流のラスト映像です。

ボスの署名

最後に鬼の藤堂が署名するところで終わる。

場面は遊園地。
太陽!がいつもロケをする。

井上堯之バンド♫「気付かれずにそっと尾行」

ゴリの尾行

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ゴリと殿下と淳は遊園地を捜査し、従業員の女から
柴田(市村昌治)の居場所を聞いた。

柴田

柴田は警察手帳を見た途端に
ジェットコースターを操作して乗った。

マカロニと柴田

マカロニコースター

淳もジェットコースターに乗るが、
高所恐怖症のマカロニは、そのスピードの
影響で柴田のもとまではたどり着けなかった。

柴田はジェットコースターが終点に到着した時、
線路を伝って逃げたが、

「マカロニ、下だ!」

井上堯之バンド♫「怒りのテーマ」

高所のマカロニ

ゴリと殿下に追いつかれ、
下からはマカロニが。
しかしマカロニは高所恐怖症。
その場、ジェットコースターレール上で立ちすくんで動けない。

怖いよ



ゴリは大笑い!
これはアドリブで演技ではない、とみる。

柴田は6年前に空き巣に入った家に、
箪笥から拳銃を発見。そこで見つけた拳銃と
金を強奪していた。

柴田は拳銃を2万円で石建に売ったという。
しかし盗んだ家の住所を覚えていなかったが、
現場に行けば分かると。ボスは
「あと8時間しかない。直ぐに案内しろ」

山村とゴリ、マカロニたちは、
覆面車で現場検証に。ただし柴田の記憶では、
近辺は今はマンションになっていた。

車名不明

↑この覆面車の車名➡4世代目フォードタウナス

区役所にあった当時の住宅地図によると、
マンションが建っていたエリアは、
6年前には9戸11世帯が居住しており、
山村は、その中の世帯に中沢家を見つけた。

登記簿地図

一係ではシンコが自席で事務を取っている。

「山さん、中沢さんが怪しいっつんすか?」
とマカロニ。

殿下も加わり、淳と一緒に中沢と事件の関連性を否定した。

藤堂は、15年前と6年前の両方に顔を出してる
のは中沢一人であることを指摘。
「待てよ、そう言えばあの時」とゴリ。
あの時の派出所で、タバコを逆さに咥えた中沢。
「何ぃ?タバコ、をな」山村

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野崎も、中沢の行動の不自然さを指摘した。
「昨日署に現れたのも、そうだ」と。

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時間が差し迫っているので
中沢を張り込むと出て行った山村。
「おい誰か一緒に行ってやれ」と藤堂。

誰も行かない状況に、
「俺が行きます」とゴリ。

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山村に追従しない殿下とマカロニに対して、
「お前たち何故行かん?」と藤堂。
マカロニは
「やれ、と言われたら行きますよ、ね」と
殿下先輩にマカロニは同意を求めた。


「二人とも、中沢はシロだと言いたいんだな?」

紘は中沢の自宅を張り込んでいるゴリを見て、
母に報告した。
紘は父親を学校に匿うことを宣言した。

一係。

殿下と淳とシンコは中沢の逮捕に反対した。

ボスに抗う

「犯人を逮捕するのが刑事の仕事だっつうのは
 そりゃ分かってんですよ」とマカロニ

「俺だって犯人を憎んで死に者狂いに
 追っかけてきてます」

🟣ここからこの話後半の名場面

藤堂は「今度ばかりはそういう気になれない」
と言うんだな?と

マカロニは上司に楯突く。


マカロニは上司に楯突く。
「犯人の罪はあと4時間半で
 消えてしまうじゃないですか?
  どうやって逃げるっていうんですか?」


「島、お前もそうか?」と殿下に振る。

私もです

「私もです」と立ち上がって
ボス席に小走りで近づくシンコ。

タバコを吸いながらゴリ席の机上に
腰掛けていた野崎も吃驚してシンコを見る。

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「教えて下さいボス。
    どうしてマカロニ君の言う事が
           間違ってるんですか?」


藤堂は三人にこう言う。

野崎は
タバコを吸いながら隣りに控えている。

「毎日のように殺人事件が起きている。
 その中で殺されても仕方のない悪党だって
 いる。犯人の方に同情すべき理由があるのも
 少なくない。

 だが俺たちがいちいちそれに左右されて
 いたらどうなる?」

「でも中沢さんは?」とシンコ
「刑事にとっては例外はないんだ!」と鬼が言う。

「また作ってはいけない。
 仮に時効寸前でもな。」

「マカロニ。お前の言う通り、法律を守って
 犯人を逮捕するのが刑事の仕事だ」
「それが出来ない奴は辞めてもらうしか無い」

「じゃあ、俺、、」と言いかけたマカロニに、
いつものように,俺辞めますと言いたかったのだろう。
それを打ち消すように、

証拠提示するシンコ

「待って!」とシンコ。

「実は、、証拠があるんです」
「中沢さんの家で見つけました。今迄
 どうしても言えなかったんです。」

確証とも言える証拠をシンコが
ボスの前で、提示した。
やっと「切り取られた週刊読売のことを報告」
したのだ。

この時シンコの気持ちを汲んで見る野崎。

その時、ボスのデスク直通電話。
「捜査一係!」とは言わないから直通だと解る。

✅ボス席左手二番目が直通専用電話みたい。

「山さんか?証拠がいま出たぞ!」
「それが、、中沢が居ない。子供が連れて
 逃げたようです」

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✅鬼の心の中では、
先程の若い三人には、
即ち、罪の精算をしてからが、
やっと心の落ち着きを取り戻す事が出来ると
教えたかったのだろう。

山村に
「こっちは逮捕状を用意するから、
 行き先を何が何でも探すんだ」

場面は中学校。
「そうか。ひろし済まなかった。
 お前にはいつか話そうと思っていた。
 集金した金だ。母さんに渡してくれ」と父。

「十五年前に行く筈だった所」に行ってくる。
「母さんを頼むぞ」と言う中沢。


井上堯之バンド♫「希望のテーマ(M20)」

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息子綋は「自首を勧めに来た訳ではない」
「あと4時間もすれば時効なんだよ」
「今何時か、知ってんのかい?」

父は「法律には時効があっても、
   人を殺した人間の苦しみには時効はない」
と息子に諭す。

犯人のこの台詞は、
後年山村精一警部補主演の
「第317話 殺人者に時効はない」制作に
活かされた可能性あり。ボン、ロッキー時代。
ボン殉死ほぼ一年前の作品。

自首しようとしたが、紘に
「馬鹿!弱虫!父さんは自分の気持ちが済めば
 家族はどうなってもいいの?」
「俺が高校へも行けず、もし一生結婚も
 出来なかったらそれでもいいのかい?」
「早く逃げるんだ!早く」と

父を学校に連れて行く。

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妻のもとに山村とゴリがかけつけ、
「ご主人の殺人容疑の逮捕状が請求された」こと
を伝達。夫人はここで泣き始める。

夫人は15年前の事件の真相を告白した。
「殺す積もりは無かった。
 綋がお腹に居て、出産費用があの時無かった事」
「なのにあの男は金庫を開けて、お金を見せびらかして、

貧乏人は子供なんか産むなって」とまた泣いた。

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↑夫人の気持ちを汲んだやるせなさの時の山さんの顔。

「その時金庫の中に拳銃が。
 お願いです、主人を助けて下さい。」

が。いま救ってあげられるのは・・・

「私が助けようと思っているのは
 息子さんなんです」

「綋君が今やっている事は犯人隠匿罪。
 犯罪なんです。分かりますか?」


22時40分
藤堂、野崎、殿下、マカロニ、シンコが
控えていた。

マカロニ連絡待ち

中学校?
藤堂は居場所を知らせる山村からの電話。
「マカロニ、島ついて来い。命令だ!」

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「命令なら、い、行きます」と
  仕方なく腰をあげる淳。

先に着いていた山村、ゴリ。
「あと1時間しかない」と藤堂。
もう一度中学校内を捜索した。

ちょっと休憩して靴紐を直していたとき
淳は中沢と息子の声を聞いて、
体育館にいることが分かった。

あえてそれを無視しボスの前に。
どうだった?「居ません」と眼を反らす。

藤堂はマカロニの眼が、嘘を言っていると。
即座に察した。
「マカロニ、中沢は何処にいた?」

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「マカロニ俺の眼を見ろ!」と鬼の眼

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↑休憩なし、と言ったボスのひげが伸びている。


井上堯之バンド♫「愛のテーマ1D」

「嫌だ!
 俺は機械じゃない!人間だもん」

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マカロニ必死の「ボスへの諍(あらが)い」
ここまで中沢さんは、15年間のあいだ。
もう捌かれたんじゃないか?

と言うのが【マカロニの本音】かな?

しかし、ボスは

「お前だけでない。俺も、山さんだって
 皆んな、赤い血が流れている人間だ」と鬼

「でもあと15分、いやあと13分じゃないっすか?」は淳

「刑事は手錠を持って走っているときは
 捕まえることを考えろ!それが宿命だ!」

「刑事が人間に帰る時は、
 犯人を逮捕したあとだ。」
「マカロニ言うんだ!」
「中沢はどこに居る!」
   徹底して鬼になる藤堂。


そこは体育館の道具部屋の中。
「綋、お前は男だ!父さんには無かった勇気が
 お前にはある。後ろを振り向くな、前を
 向いて大きく胸を張って生きていけ!」
「お前にはそれができる」

藤堂達は、この後に中沢と息子を発見。
山村が手錠を出した時、藤堂は手を翳し止める。

「ダメだ。父さんが居なくちゃ!」
「綋」と父は息子を引っ叩く。

井上堯之バンド♫「愛のテーマピアノバージョン」

道具部屋から二人は出て来る。
この時、体育館の照明が付く。
あたりはかなり明るくなる。

電気に驚く

↓↓↓

🟣ここで私が50年間溶けない疑問符?
 皆さん分かりますか?(筆者の問いかけ)

★刑事コロンボ「黄金のバックル」では、
 犯人が犯行後電気を消した。
 コロンボは疑問視する。

刑事コロンボ「黄金のバックル」2

犯人以外に誰が電気を消したのか?と。

理由は「電気が勿体ない」から。
犯人の普段の性格「使わない電気は消すべき」だ。

いつもそんな生活行動をする犯人しか、いないじゃないか。
犯人のいつもの癖がそうさせた。

刑事コロンボ「黄金のバックル」

しかし逆に、今回の太陽!16話。

★誰が、体育館で証明"灯り"を付けたのか?

初めての場所で何処にスイッチがある場所が解るんか?
スイッチがあるのを知っていた奴が点けた?

この話の映像でも一番不思議な箇所です。
この説明が映像の中でされないもどかしさ。


一係の連中、中沢親子以外に
誰も居ないじゃないか? 用務員のおっさんか?
シンコは元々、体育館には来ていない。
午前0時ですよ。時効成立は。
この説明が付かない。

🟣皆さん、Rutubeで確認してみて下さい。
明確な答えが出せた人は教えて下さい。

また、
逮捕なのか、自首なのか?
太陽にほえろ!ファンとしては、自首であって
ほしい。でも逮捕なんだろうな。

と思ったとき、中沢がボスたちに寄ってくる行為を
自首と捉えるべき、と 制作側はあとの判断は
視聴者に任せたか?

山村が掛けようとした手錠を畳みポケットに
仕舞い込む。このシーンにお気付きですか?

やはり自首として決着させたか?

マカロニ 紘を心配

但しマカロニだけは、ひとりぼっちになってしまった息子に
優しく寄っていく。
この時、太陽!流の台詞なしの演技。

マカロニと紘

紘を見つめる


「マカロニは何を言いたかったのだろうか」

それを、鬼だけが、遠くから見つめている。

場面変更で、これから前を向いて一係は
どうするのか?

井上堯之バンド♫「マカロニ行動のテーマ」

2;16~

が間奏し、ある、淳の企みに被さる。

殿下署名

一係では、

山さんに署名を


淳はシンコ、ゴリ、野崎、殿下と渡り、山村が、
「ああ。中沢さんの(嘆願書)か?」とボスに聞こえるように。
「シッ!」とマカロニ。

逮捕され(自首し?)た中沢に優しいマカロニは、
こっそり中沢の減刑嘆願書の署名を集めていた。
中学生の息子と家族を救いたい一心なんだろう。

「皆んな終わったか?」
調書を読んでいて気付かない振りした鬼。

ボス署名2

マカロニ席まで移動した、その鬼は、
皆の署名を確認すると最後に「藤堂俊介」と
署名した。

※ボスには隠し事はすぐバレるで!マカロニ先生。
怖くても一番の優しさを秘めているボスは解ってるから。

その署名を皆で囲んで確認する一係全員。
愛のテーマではなく、
「マカロニ行動のテーマ」で終了する珍しいラストシーン。

ストップモーションにはなってない。
※初のストップモーションで終わったのは、
第9話鬼刑事の子守唄。

◆他のnoteブログや他のサイトで、
武内亨が演じた「中沢伸治の職業」を、
少年課の刑事だと綴られてあるものがありますが、
それは間違いです。よく見て下さい。

今回16話でゴリが電話を借りに来る直前の台詞。
「民間補導員10年選手の中沢さん」と
物語の中で派出所の警官が述べています。

◆この七曲署には当時少年課はありません。
少年係です。シンコもそうです。
民間補導員だからこそ、
一係と少年係シンコは付き合いがありました。
前半部で、上記の山本派出所の警官の台詞が、
それを証明しています。

◆また同様に交通課も、課ではなく交通係です。
早瀬令子(長谷直美)が物語に登場した頃には
交通課になっています。

空手有段者ジーパンが、セットをめちゃめちゃに
壊した回「蒸発」では、あのセットは
七曲署交通係の事務室セットでした。
廊下を挟んで向かいは資料室でしたね。

CAST

中沢伸治:武内亨
中沢夫人:本山可久子
柴田辰夫:市村昌治

✅「貧乏人は子供を産んだらいけないんです
 か?」と。長年縋りつきたい閉ざされた心
 のうちを開き山村に、やっと泣き崩れ詫びる。

✅マカロニのように家庭の愛に縁がなかった。
 長い間親戚をたらい回され不運な人生を送って
 きた山村も、自分の過去に併せても、やはり
 目の前の現況を無視出来ない。
 「今は、私は息子さんを助けたいのです。
  息子さんが今やっている事は犯人隠匿罪。
  犯罪なんです」

✅ 中沢を逮捕したくないマカロニ。また
 どうしても父を自首させたくない息子。

 しかし父が半ば自首。という現況に失望する
 息子綋。
 マカロニは離された父子に、特に息子に
 優しく近づく。息子には何を語りかけるのだろうか?

✅またシンコもマカロニ同様、まさか、と
 思いつつボスへの報告を遅らせ、
 確証が見つけられる迄と思う。しかしシンコは
 意を決して自分がみつけた証拠品を
 ボスに提出する。

✅ 時効成立寸前の事件。
 これまでの太陽!では初。
 後日「第506話 消えたロッキー」でも
 監禁されたロッキーが、時効成立前に
 アパートの一室で親子"母と息子"を自首させる。
 あの髭面の一所懸命さが親子の情愛を擽り、
 心を開かせる作品がある。
 涙目になったロッキーは初です。

 この話の一部リメイクとも推察できる。

 しかし、この回は「本当に自首したのか?」
 「お前殴られたんじゃないか?」と藤堂。
 「いえ、それは物の弾みでして」とヒゲ。
 ロッキーの報告書をボスは疑うも、
 そのまま処理。
 分かっていて受け入れる藤堂の寛容さ。
 「早く帰ってカミさん(令子)の飯でも食え」。
※この時ロッキーのヒゲが整髭して短めになって
 います。2ヶ月後にはカナダロケで殉死予定。


太陽にほえろ!第16話「15年目の疑惑」
動画は、上記コピーして検索して下さい。
Rutubeで、次回予告付きが視聴可能。
尚今回は小林恭治NAでありません。
noteでは、規約上Rutubeへのリンクができませんので
こうするしか無いことをご了承下さい。

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