システムトレードことはじめ

はじめまして、Taiyoです。昨年末から趣味と実益を兼ねてシステムトレードの勉強を始めました。当面は仮想通貨がターゲットです。

本業はゲーム会社のプログラマーです。仕事柄、最低限のプログラミングやエンジニアリングはできる気がします。一方で、ファイナンスの知識、統計処理の知識は、ほぼ0でした。

そんな私が、半月ほど取り組んだことをまとめます。

読書

株とPython─自作プログラムでお金儲けを目指す本

技術系同人誌。システムトレードの基礎となる、データ収集・バックテストについて周辺コードの実装例が丁寧な解説つきで掲載されている。優しくてわかりやすい文体で、読みやすい。

■ 最強のFX 1分足スキャルピング

システムトレードをするなら、短期売買が良いだろうと考え、amazonで一番短期売買特化ぽい書籍として購入。1分足ならではの勝ちパターンの一つを詳細に説明しており、短期売買において何を基準に売り買いを決めるのかイメージが湧く。主要なテクニカル分析について、著者の読み解き方が紹介されているのもうれしい。まさに熟練のトレーダーが語る、という感じ。もう少し自分でトレード経験を積んだ後だともっとよく理解できそう。

テクニカル分析がわかる

テクニカル指標の辞書的な書籍。20を超えるテクニカル指標について、考案された背景から数式まで丁寧に説明されている。戦略を考えるのに使いやすそう。買ってよかった。

■ ロボット運用のプロが分析してわかった 最強の株式投資法

アノマリー(このタイミングで売る/買うといいよ!という定石)を検証する本。
システムトレードするならテクニカル分析は2~3つ組み合わせるべし。ただし、多すぎるとだめ、という話が書かれている。説得力がすごい。
実験環境がある程度公開されており、追試ができる。自作環境にバグがないか書籍の結果と照らし合わせる、という使い方ができた。
ところどころ、実験結果と実験条件が合っていないところや、条件が明確でないところ、実験期間に恣意的な抜き出し感じられるのが惜しい...。
例えば、
- ボリンジャーバンドを逆張りで使うときの、パラメータの最適化前の実験で、移動平均線および分散のもととなるサンプリング期間が書かれていない
- ボリンジャーバンドを逆張りで使うときの、パラメータ最適化前と最適化後の実験期間がずれている。(最適化前は2006年5月からで、最適化後は2004年11月からである。このズレについて、本文中には説明が一切ないまま比較されている)
あと、コラム中のATRの数式が間違ってた。

真の値幅とは、①当日高値マイナス当日安値、②当日高値マイナス当日終値、③前日終値マイナス当日安値のうち、最大幅となったものを指します。

とあるが、②は当日高値マイナス当日終値ではなく、当日高値マイナス前日終値 が正しいはず。
ちょっと気になるところはあるが、全体的な考え方や仮設→検証の流れの理解が進む良書。かなり読み込みんだ。

■ ファイナンス機械学習―金融市場分析を変える機械学習アルゴリズムの理論と実践

THE 専門書。有意義なことが書かれていることはわかったけど、実戦に使うには経験が足りなすぎて得られるものが...。
というか、このレベルの書籍は専門家じゃないと活用できないのでは。序章にも、読者層に機械学習の経験者ってはっきり書いてある。なぜ私は今コレを買ってしまったのか。買ってよかったと思えるように、今後がんばります。

ネットでの情報収集(キリがないので、一部)

これからのお金の話をしよう

システムトレード会のゴッドファーザー? UKIさん&Hohetoさんのブログ。
収支報告のページ以外は全記事読みました。
実践的・定量的で価値の高い情報が惜しげもなく公開されていて、尊敬します。Twitterも即フォローさせていただきました。

専業トレーダーと学ぶ、FXの基礎・応用

ストップ狩りなど、単に相場の上がり下がり予想レベルとは別の、戦術について勉強できる貴重なサイトでした。テクニカル指標(≠分析)については懐疑派のようで、その理由が説得力を持って書かれてました。環境構築系の話を除いて、全記事目を通しました。

手を動かしたこと(分析・コーディング)

- BitFlyerの5秒足データ取得
- 5秒後の価格をt秒間の終値から単線系回帰で予想した場合に最適なtを求めた
- バックテストの環境構築、「ロボット運用のプロが分析してわかった 最強の株式投資法」にかかれている内容を一部(移動平均線関係、ボリンジャーバンド関係)追試
- BIEMEXのBTC/USDの1分足データをあるだけ取得
- 適当な期間で区切ってK-Means法でクラスタリングし、生成したクラスタについて1分後の価格の上がり下がりに偏りが無いか分析
- 上記コードを書くために pandas, numpy, pyplot, statsmodels, scikit-learnなど学習

手を動かしたこと(トレード)

半月間 BitFlyerで売買してみた。10万円の元金で、見事にマイナス。裁量はむずいですね。何を根拠に売り買いするかがまだ良くわからないし、一度ポジションを持つとあれこれ気になってしまう。

今後の展望

- システムトレードにおいては超短期〜短期売買が良さそうなので、マーケットメイカー戦略について勉強して、低価格で実戦投入してみたい
- 仮想通貨市場の分析をしてみる。トレンドやレンジの基本的な性質(継続期間、ボラティリティの特性、取引時間との関係)を自分なりに。

以上です、それではよろしくお願いします。


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