実験四郎入門 ――倒錯と共謀の実験哲学

■身体の使用法

実験四郎の女児たちは、みずからの身体を一つの実験場=研究所に変える。そこでは、例えば掘骨砕三のような身体のメタモルフォーゼは退けられる。器官を別のものに変えるのではなく、この器官を別の使い方で使うこと。つまり、どこまでも「使用法」が問題なのだ。例えば、口腔は食物を摂取する器官ではなく、食物を逆流させるための器官となり、また同時に性器に、そしてそこに接続される男の指はペニスとなる。特定の器官を本来の(生物学的)目的から逸脱した「使い方」において使用すること。これこそが実験四郎における偉大な「倒錯」であり「実験=発明」なのである。

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