コミュニケーション

コミュニケーションが苦手といっても、シチュエーションありきのコミュニケーション、言い換えると「関係性と目的が明確である場面」でのコミュニケーションは普通に問題なくこなすことが出来る。
例えば、職場で同僚に仕事についてわからない点を聞くとか、お見合いで初めて出会った男性と女性とか、接客等の状況である。
これらは、ゴール≒目的ありきのコミュニケーションとなるからだ。
例えば、「スマホの電話のかけ方がわからなくて来店した客」と「携帯電話ショップの店員」のような接客の場面だと、客の目的は「スマホの電話のかけ方を教えてもらう、覚える」店員の目的は「スマホの電話のかけ方を教える、理解してもらう」といったところになるので、そこに向かってお互いがコミュニケーションをきちんと取り合うからである。
こうした状況下では、例えば、店員の知識不足でうまく伝えられないとか、客が何かをきっかけに怒り出すなど、どちらかに問題があって投げ出す事態にならない限りは「スマホの電話のかけ方」についてのコミュニケーションが成立するのである。
その過程において、「難しい言葉を使わないようにしよう」「丁寧に説明しよう」「相手にわかりやすく伝えよう」等の思いやりがあることで、気持ちの良いコミュニケーションが生まれるのだろう。
目的がある場合のコミュニケーションは、プロレスのように、相手の言葉を受けて、返して、受けて、返して、盛り上がりを作って、ゴール≒目的を達成する。
お見合いの場合でも「相手のことを知りたい」とお互いがそこを目的としてコミュニケーションを行うので、普段話し慣れていなくてもある程度はどうにかなってしまうのである。

鈴木が苦手としているのは、そうした目的のないコミュニケーションである。
目的があっても「親睦を深める」とか「その場を楽しむ」といった「関係性と目的が不明瞭である場面」でのコミュニケーションが苦手である。
具体的に言うと、会社の立食パーティや懇親会、合コンや関係性の浅めの人間との飲み会の場など。こうした場に放り込まれると、話の輪に入れなくなって鍋つついているかずっと酒を黙って吞んでる感じになり、印象がよろしくない。
合コンで黙りがちになるのは、雑談の応酬と、お互いに何を考えているかわからない=目的が明確ではない、手探りでのコミュニケーションを求められるからである。
関係性が全くない状態から、関係性を構築しつつ、手探り手探りで進めていく。
飽きたら途中で「もういいや」と試合放棄になりかねない。
相手を楽しませつつ、自分がこういう人間であるとアピールをして、相手の属性を把握して、趣味や連絡先を聞きだし、次回につなげる。
合コンだとお見合いと違って目の前だけではないから、対複数のコミュニケーション能力も求められるので、その点も難しい。
プロレス的なコミュニケーションよりも総合格闘技的な、ガチンコである人間としてのコミュニケーション力が重要になってくるのだ。

会社の吞み会でぼっち状態になる原因としては「酒の場以外での日常的なでのコミュニケーション不足からくる、そもそもの親密度の欠落」に問題があるような気がする。
ここについては、普段の人間付き合いをしっかりしましょうとなるのだが、プライベートと会社は切り離し、会社の人間とは薄っぺらい関係でいたいので仕方が無い部分もある。
利害関係が絡む人たちと、そこまで仲良くしたくないし。
これはこれで、諦めがついているような気もする。(会社であっても、仲良くしたい人とは、仲良くするけど)

あと、「何かの知識が前提となる」コミュニケーションも苦手である。
例えば、プロ野球の順位とか、選手とかが頭に入った上でのプロ野球の話。など自分の興味がある分野ならいいのだが、自分の興味が無い分野の話だと完全に聞き手に回る。
これが、仕事の話とかだと最悪で、鈴木が部署異動したばかりであり、知識が低く、さらに仕事への興味関心が薄れてきているので、他部署の人からの問い合わせや、電話応対がもの凄く怪しい・・・

今一度、自身の対面コミュニケーションについて考えて、出来ていないところは出来るようにしたいと思った。

次回テーマ「サムライスピリッツ」

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