見出し画像

『それ』が起こらない訳

お金を得ることで
すべてが手に入るを卒業した
賢き人々は、
今度は知識を貪りだす。

沢山の本を読み、
知識だけが際限なく増えて行き、
ついには知った気になっても、
何時まで経ってもそれは起こらない。

『悟り』?『覚醒』?
『ワンネス』?『空』?
一生懸命目指しても。
だが、なにも起こらない。

それが起こるには
自分が消滅しなくてはならないから。

死から逃れる為に
死ななくてはならない
究極のジレンマ。

誰もが自分を保ったまま
それを手に入れようとするから
何も起こらない。

どこまで行っても
自分を手放せないから
それは絶対に起こらない。

自分が消滅すると
世界のすべてが消滅する。
誰も自分の消滅を望んでいない。
誰も世界の消滅を望んでいない。

それが起こるのは
完全な愚か者だよ。

目の前に崖があっても
平気で歩を進めるような。
目の前の落とし穴を
笑って踏み抜くような。

愚か者は
すべてに降参し、
まるで抵抗せずに
ありのままを受け入れる敗北者だ。
むき出しの現実は、耐え難いほど残酷で。

そして愚か者は見るのさ。
完全なる世界を。

生と死の理から
はみ出した愚か者は、
すべてから解放され
また気ままに歩きだす。

外側から見たら
何も変わっていなくても、
彼の中身はまったくの別物。

すべてから解放され、
またのんきに歩きだすんだ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?