自動運転カーで、山奥の限界集落が発展していく物語
自動運転カーの普及で、山奥の限界集落が発展して行く物語です。
田舎の山奥にある小ちゃい集落を想像してください。
今は人口30人しかいない限界集落です。
タイゾウランドと呼びます。
それでは、はじまりはじまり〜
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ここは長野県の山奥にあるタイゾウランド、人口30人の限界集落。
ここに空き地があって、毎日自動運転カーが来る。
その自動運転カーには野菜や肉、米、食べ物、日用品が載っていて、
その場で買うことも出来きるし、事前に注文しておくことも出来る。
電子マネーで支払いをする。
毎日、宅配便の車(もちろん自動運転)もその空き地に来る。
自分宛の荷物がある場合はLINEで事前に連絡が来て。アマゾンやオンラインショップで買った荷物もこの宅配便で届く。
山の麓にある寿司屋の寿司が食べたくなったら、オンラインで注文すれば指定の時間に届く。
山奥で食べる寿司は最高だ。
自動運転カーが到着するその空き地には、毎日人が集まる。
タイゾウランドに住むAは、この空き地にベンチがあったらみんな楽だろうと考え、ベンチを作った。
住民達は喜び、Aにお礼として寿司を奢った。
Bはこの空き地に屋根があったら、雨の日もみんな集まりやすいだろうと考え、
屋根を作った。
Bはみんなから感謝され、色々な人から屋根を直して欲しい、家を直して欲しいと頼まれるようになり、大工になった。
1人では人手が足りないと感じたBは、何人かアシスタントとして雇い、
色んな所に家や屋根を立てていった。道具はモノタロウで注文すればいつもの空き地に配達される。道具も人も揃い始め、建物が建つスピードも上がっていった。
Eはラーメン屋を、FはBARを立ち上げる。
Gは、この山奥での出来事をブログやnoteで配信して、広告収入を得た。
Hは得意の英語でこのブログを翻訳し、この山奥での出来事を世界中に発信する。
タイゾウランドから発信されるブログは、世界中に拡散され月間PVは100万を超え、次第に注目が集まっていった。
ある日、ブログでタイゾウランドの生活を見たカナダ人がこの山奥に訪れた。
イギリス人もミャンマー人も来た。俺たちも一緒にここで住みたいと。
海外から来た彼らはそれぞれの通貨を持っていたが、タイゾウランドには両替所がない。最初は都心部の銀行にわざわざ車で両替にいっていた。それは日本人達も同じで、無駄な作業に愛想を尽かしていたので、次第にタイゾウランドではビットコインでの取引が通常になった。
タイゾウランドに移住するのは、とても簡単。
空き部屋を見つけて、引っ越せばいいだけ。
土地も建物も安いし家賃も安い。空き家を買って自分達で直すことだって出来る。
気の合うコミュニティを選んで場所を決めてもいい。10人とか20人とかでもいいし、1人でもいい。猫を連れてってもいい。
大自然の中で人々が幸せそうに暮らしているブログが毎日のように世界に配信された。
満員電車もない。上司からの圧力もない。好きなことを村人達が配信する。
東京に向かう満員電車の中で、サラリーマン達がこの村のブログを見ていた。
ブロガー達の積極的な配信もあり、タイゾウランドの生活は世界中で認知され始め、移住者は300人まで増えた。
しかし、少しずつタイゾウランドに問題が増えてきた。
人口増加に伴い少しずつタイゾウランドにはゴミが散乱していった。
テレビを捨てる者、ソファを捨てる者、タンスを捨てる者、空き缶を捨て者が出てくる。
ある日、誰かのものが盗まれたということが噂が広がった。
最近誰々を見ないとか、全然コミュニティに参加していていないあの人が怪しいとか。
村人達の間には不安な空気が広がっていった。
そういえば、タイゾウランドには警察はいない。
人々は考えた。
多様な人間がそれぞれ好きな生活を送っているが、公共サービスというものがタイゾウランドにはないことが原因であるとすぐに気づいた。
第2話 執筆中。。。
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