2018年、11月10日、長崎ホーム、横浜Fマリノス戦の後で

11月10日、土曜日、トラスタ長崎での横浜Fマリノ戦を0-1で終えて、残留の可能性がかなり低くなった中でのこと。


1時間後に試合後の試合会場撤収作業(ボランティア)を終えてスタを出た。隣の芝生広場を横切って野球広場に向かう。

でも、そこに見たのは、夕暮れが近まるのにボールを蹴って遊んでいる子供達。

小学生、中学生、高校生くらいの子ら。誰にいわれるでもなく、嬉々としてボールを追う子どもたち。

降格の空気の中で帰宅に着く自分を、そんな子ども達の姿は叩きのめした。

これが、V・ファーレン長崎というクラブが望んでいた姿ではなかったのか。

スポーツで暮らしを豊かにしようという、クラブ理念の実現した姿では。


試合に負けて、J2降格が目前となり、夕暮れの中を他力本願で降格するのかもしれぬという中でこの光景とは。


自分の中で、辛い状況なのに、幸せな空気が広がっていった。今日は、この場所に来て良かった。

現実を直視する辛さと、

未来を見る喜びと、

両方を得た2018年11月10日。それは、ほぼ一年前のJ1昇格を決めたその日。1年後に、芝生の公園でJリーグの試合後にボールを蹴り合う子ども達の姿を見ることができたって、幸せでしかない。降格必死なのに。


V・ファーレン長崎というサッカークラブがあって良かった。悲喜こもごも、人生のスパイスを振りかけてくれるクラブ。その薬味を味わいながら、また、明日を生きていこう。



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