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数寄者

通院しているクリニックまで毎度徒歩で行くのだけど、いつも道すがら、某有名新興宗教団体の教会(純和風建築)の前を通りかかる。 いつもなら何も気にすることなく通り過ぎるのだけど、今日はこの冬空にすっくと映える美しく剪定された一本の庭の木が目に入って足を止めた。まるで芸術品と見紛うほどに均整がとれており、思わず立ち止まって上から下までじっくり眺めた。 庭の木だけでなく、教会全体が荘厳でたらふくお布施で儲けているのかすみずみまで整えられていたので純和風建築と庭のしつらえの美に目を

    • 正月嫌い

      毎年この時期が近づくと、臆病な憂鬱が珍しく顔を出し、それが頭を占める割合は100%を優に超える。 正月が近づくにつれ、胃の奥からすっぱい液がこみあげてくるのがわかる。 正月の何が嫌いかって、「餅」が嫌いなんだ。 あーの正月の「まったりもったりぬったりでろーん」な雰囲気を体現するような存在である餅が憎くて憎くてたまらない、口の中でありあまる存在感を発揮しながらもひっそりと喉元から窒息死をねらう暗殺者たる「餅」。 正月のだらしない雰囲気をつくりあげている元凶はきっと餅にち

      • 震災後とオンラインサロンの時代

        以前、自分のブログ↓でもさらっと触れていたのですが、昨今の「オンラインサロン」の流行を興味深く見つめています。 そしてつい最近、中村うさぎさんと佐藤優さんの対談共著『聖書を語る』を拝読して自分の考えがまとまったので記しておきたいと思います。 といってもツイッターでつぶやいた内容のまとめなのですが。 とにかく何が言いたいかと言うと、 私たち日本人は、「東日本大震災」というカイロスを軸に、「生き方」そのものを問うような時代を生きているのことの意味を今一度思い出すべきなのだ

        • 電子書籍でドストエフスキーが読めるんか?

          こんにちわ。 きょうも唐突に喧嘩腰の双耳です。 時代錯誤はなはだしい?じゃかしいわ。上等やないか。 あれが捨てられない わが家は自称ミニマリスト、いや今はじめて名乗ったけど、なんだけれども、一向に減らせず日ごとますます増えているものがある。 それは「本」。 ダメなんだなコレばかりは。 物質を伴わずデータ上に保存できると知っても、画面上で開いたり閉じたりしおりを挟んだりすることができると知っても、電子書籍だけはゴメンこうむる。 「電子書籍お断り。」 電子メディアに

        数寄者

          自己啓発本もいいけどたまには文芸もどうですか。

          こんにちわ、双耳です。 今日も喧嘩を売るような内容で御免ください。 文芸の意義 人がなぜ”詩”や”物語”などの文芸を求めるか、というのはむずかしい問いです。 たとえば文芸評論や構造主義、ポストモダン方面に明るい人だったら、インテリジェントな解説をしてくれそうです。ぜひ解説お願いします。 自分にはそういった深い教養はてんで持ち合わせていないので、それはもう得意な方にお任せするとして。 わたしの考えでは、「文芸を求める(読む)理由」はただひとつ。 ずばり「文芸を生み

          自己啓発本もいいけどたまには文芸もどうですか。

          セックスレスは罪ですか?

          目を背けずに真っ直ぐ向き合わないといけないその時が来るのが怖い。 悲しい。 体を触られたくない むかしから人に触られるのが苦手。 手をつないだり抱っこされたり、恋人でなく家族でも、虫の居所が悪くなって無性にけったいに感じる。 中高と女子寮にぶち込まれていた時はさんざん女のケツやらムネやら揉みしだいて楽しんでいたけど、そのくせ自分が触られるとものすごい嫌な顔をした。(なんちゅうヤツだ。) それで最近「アセクシャル」やら「統合失調質パーソナリティ障害」やら該当しそうな概

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          知性は母親からしか遺伝しないと聞いて安心した

          こんにちわ。転妻専業主婦の双耳です。 いささか衝撃的なニュースが目に飛び込んできて動揺を隠せません。 最近の初耳学で取り上げらていたことがきっかけで知ったわけですが、 「知性は母親からしか遺伝しない」ってマジですか? 人間の内面は遺伝する まず自分が母親から知性を受け継いでいることにも驚きだが、喜ばしいのは自分が子供に遺伝できるのは知性だけだということだ。 どうも知性をつかさどる部分は母親の血を受け継いで、感情や本能を司る部分は父親の血をひくそうだ。 つまり! 私

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          コミュニケーション上手とは「美味しいまんじゅう」である

          こんにちは。最近はもっぱら甘党の双耳です。 お酒を飲まないと甘党になる体質らしい。 坂川栄治さんの名言 ところで先日、こんなツイートをしました。 まずすみません。謝らせてください。「いきなりまんじゅう」ではなく「いきなり団子」の間違いです。 「そこ間違えちゃいかんだろうというところで間違えた罪」で恥さらしの刑に処されます。すみません。 コミュニケーション上手の秘訣 坂川さんが言われているとおりですが、他者と円滑なコミュニケーションを図れる人というのはまんじゅうの皮と

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          短編小説「赤蜘蛛」1

          「お母さん、統合失調症なんやって」 運転席からルームミラー越しにそう告げた姉は、サイドブレーキを下ろして静かに前方を見据えていました。 どんよりと白く曇った昼下がりのことでした。 中学に上がるか上がらないかの年齢だった私は、言葉の意味を理解できないまま、後部座席のシートから「ふーん」とだけ返したような憶えがあります。 記憶というものは大概、写真のネガのようにありのままを残すことはできないでしょう。 無意識的にしろ恣意的にしろ改ざんは付きものですが、 それにしても、

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          長生きは美徳ですか?

          「介護とか福祉とか絶対向いてなさそう」 と言われます。 長生きしている人ってやっぱり敬わなければいけませんか? 老人が怖い 「介護系向かない」と同じくらい言われるのが「人に興味なさそう」。 たしかに人が創り出したものには興味津々ですが、人自体にはあまり興味がありません。 とくにご高齢の方には、まったく興味が持てない、というより恐ろしいです。 「生老病死」を間近で見るのって、いつか自分もこうなるのだ・・・とまざまざ感じることになって、辛くありませんか。私だけですか

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