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正月嫌い


毎年この時期が近づくと、臆病な憂鬱が珍しく顔を出し、それが頭を占める割合は100%を優に超える。

正月が近づくにつれ、胃の奥からすっぱい液がこみあげてくるのがわかる。


正月の何が嫌いかって、「餅」が嫌いなんだ。


あーの正月の「まったりもったりぬったりでろーん」な雰囲気を体現するような存在である餅が憎くて憎くてたまらない、口の中でありあまる存在感を発揮しながらもひっそりと喉元から窒息死をねらう暗殺者たる「餅」。

正月のだらしない雰囲気をつくりあげている元凶はきっと餅にちがいない。


しかしなぜ正月だからと餅を食うのじゃ?


正月に米を炊いて通常の『膳』をしつらえることが面倒だからと餅を食うのか?それにしたってあんなにマズイものを食べて貴重な長期休暇を過ごすよりは米を炊いた方が幸福度はあがるのでないか?あんなに味がしないのに口腔内で場所ばかりをとる食い物のどのあたりが美味なのだ?ニッポン人よ教えてくれ。

煮たり焼いたりするのは気に喰わない人間だけでじゅうぶんだ。

来年もまたあの気色の悪い物体を食わねばならぬと思うとまったく気が滅入る。


はあ。

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